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S&P 500のテクニカル分析:米CPI、FOMCによる下降ウェッジへの影響

S&P 500のテクニカル分析:米CPI、FOMCによる下降ウェッジへの影響

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このページの内容

S&P500のトーキングポイント

  • 米国株のボラティリティは低下し、S&P 500種指数は11月11日時点と同じ4,000の水準がレジスタンスとなり、ほぼ1カ月間、レンジ取引が続いている
  • 10月と11月に米CPIが発表された後、指数は大きく動いた。10月13日のCPI発表直後は年初来安値を更新し、11月10日の発表後には短期的な下降ウェッジパターンから上方ブレイクした
  • 経済指標カレンダーによると、きょう13日夜10時半(日本時間)には米消費者物価指数(CPI)が発表される。CPIは今年の主要な相場原動力となっており、もう一つの主要な原動力である米連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利の発表も15日早朝(日本時間)に控えている
  • 本記事で提示される分析は、プライスアクション(値動き)チャートパターンに基づいています。プライスアクションやチャートパターンについてもっと知りたい方は、DailyFX 学習コンテンツをご覧ください
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11月の米CPIは今夜(日本時間)発表されるが、今年に入ってからCPIは株価を動かす主な要因となっている。今年前半はCPI が上昇するにつれ、市場は FOMC会合での利上げを一段と織り込み始め、株価は弱含みとなった。今年のS&P種株価指数は一時27%超も下落し、株式市場は大きな打撃を受けた。

10月13日に米CPIが発表された直後、S&P 500種指数は急落し、3,500ドルの大台まで下落した。だが、いつものようにCPIが米国東部時間午前8時30分に発表され、その1時間後に株式市場で通常取引が開始されるまでには、株価はすでに上昇し始めていた。それ以降も株価は大方、上昇し続けており、急落時の安値の呪縛からは解き放たれている。

S&P 500種指数は11月11日に心理的水準である4,000を再び試し始めた。それから1カ月が経過した現在も、この水準での攻防は続いている。この間、確かに何度かトレンドが発生したが、まだ定着はしていない。

CPIとFOMCを控えた現時点で、2022年におけるS&P 500種指数の値動きは、一つの大きな下降ウェッジを形成しつつある。

S&P 500 週足チャート

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作成:ジェームズ・スタンレー、資料:Tradingview

S&P 500【中期】

米CPIは過去2カ月間、S&P 500種指数に大きな影響を与えた。前述の通り、10月13日の反転は、CPIの上昇が発表された直後に起こり、年初来安値を更新した。しかし、その約1カ月後にもCPIをきっかけとした大きな動きがあった。

11月10日に発表された10月の米CPIは、コア指数、総合指数ともに予想を下回る結果となり、これが強いリスクオンの動きを促し、S&P 500種指数は短期下降ウェッジ(下図の破線のレジスタンス)を上抜けた。

その翌日、S&P 500種指数はレジスタンス水準である4,000まで上昇し、その後数週間はその水準近辺での攻防が続いたが、ついに200日移動平均線を上方ブレイクした。その他のレジスタンスとして唯一、確認できるのは8月の高値も重なる2022年のトレンドラインである。

S&P 500 日足チャート

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作成:ジェームズ・スタンレー、資料:Tradingview

S&P 500【短期】

S&P 500種指数には、頑強なサポートスポットがあり、これを割り込む動きはなかなか起こらない。これは、11月初旬に下降ウェッジを上方ブレイクする直前までレジスタンスとして機能していたスポットでもある。このスポットは4,000でレジスタンスとなった後、サポートに転換し、先週火曜から木曜までの3日間、再び下値を支えた。

S&P 500日足チャート

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作成:ジェームズ・スタンレー、資料:Tradingview

S&P 500 戦略

週足チャートに戻って見ると、長期下降ウェッジが残っている。これは強気の反転を示唆するチャートパターンであり、もし買い手が、今年すでに何度も変曲点となっている上方トレンドラインを突破できれば、強気シナリオへの扉はすぐに開かれることになる。

より大きな問題は、これが継続するかどうかである。恐らく、年末にかけて株価が上昇する要因の一つは、2023年に向けて長期的に保有していたショート(空売り)ポジションを解消しようとする動きがあるからだろう。しかし、その時点で株式は高騰するが、金利は高止まりしている。来年上期に企業収益が打撃を受ける可能性が高く、来年のある時点で株式市場は弱気に傾く可能性がある。

あるいは、今年見られたような、最初の週は高値を付け、その後は何らかの方向転換をするような展開もあり得るだろう。

そのため、3,915付近のサポートゾーンが非常に重要になってくる。もしこのゾーンを割り込めば、年末に向けてレンジ取引が続く可能性が高くなり、3,800付近に位置するサポートが重なるゾーンを再び試す展開となるかもしれない。

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S&P 500 週足チャート

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作成:ジェームズ・スタンレー、資料:Tradingview

--- DailyFX.com シニアストラテジスト兼DailyFX学習コンテンツヘッド、ジェームズ・スタンレー著

スタンレー氏に連絡するには、Twitter で @JStanleyFX までお願いいたします。

DailyFX はグローバルなFXマーケットに影響を与えるトレンドのテクニカル分析とニュースを提供します。