※2023年12月13日11時39分更新
ナスダック100指数は主要なレジスタンスレベルを突破し2022年初頭以来の高水準に達したが、その後は高値圏で小動きとなっている。13日に米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でタカ派的な金利見通しが発表されれば、上昇の勢いは止まるかもしれない。
ナスダック100見通し
- ナスダック100指数はここ数日で強気のブレイクアウトを確立し、2022年1月以来の高値を更新。現在は高値圏でもみ合っている
- 指数のテクニカル分析見通しは引き続き上向きだが、FOMC会合をきっかけに上昇の勢いが止まる可能性がある
- 12月のFOMC会合では金利据え置きとの見方が大半だが、政策見通しはタカ派的と見る市場関係者は多い
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12日の米国株式市場でナスダック100指数とS&P500種株価指数は、2022年初頭以来の高水準まで上昇し、その後は高値圏でもみ合う展開となった。米国債利回りが低下する中、週初に重要なレジスタンスを突破した上昇の流れは維持されている。
テクニカル面で指数は上向きを維持しているが、米連邦準備制度理事会(FRB)がウォール街の高揚感を打ち砕き、物価安定の回復に向けた取り組みを無駄にする恐れがある金融緩和を制限するために動き出せば、その幸運はすぐに終わる可能性がある。
FOMCは2日間の会合を終える13日の午後(米国時間)に、今年最後の金融政策の決定を発表する。予想では、FRBは3会合連続で政策金利を据え置くと見られているが、投資家が織り込んできた積極的な利下げ観測を押し返し、タカ派的な姿勢を示す可能性もある。
過去1カ月間、市場の金利予想はハト派的な方向にシフトし、トレーダーは2024年に100ベーシスポイント以上の利下げ実施を織り込んでいた。しかしこの予想は極端で、堅調に推移し続ける米労働市場と粘り強いインフレという現在の経済状況とは矛盾しているように見える。そのため、政策立案者が市場予想とまったく逆の方向に進んでも不思議はない。
もしFRBが金融引き締めバイアスを維持し、市場が考えているほど金利を引き下げないというシグナルを発した場合、ハト派的な金融政策見通しに賭けていたトレーダーは持ち高を解消するため、米国債利回りは急上昇する可能性がある。この動きはS&P500種指数とナスダック100指数にとっては弱気材料となるだろう。
ナスダック100 テクニカル分析
12日のナスダック100指数は上昇幅を拡大し、過去のトレンドライン(レジスタンス)16,500を突破した。この強気なブレイクアウトが維持されれば、指数は、今後数日は高値圏でもみ合い、史上最高値を再び試す可能性が開かれる。さらなる上昇局面では、年内に17,000を超える新高値更新が実現する可能性もある。
一方、センチメントが弱気に傾き、下落圧力が強まった場合は、16,500付近が最初のサポートとなり、16,150、16,050がそれに続く。16,150―16,050のレンジは反落時に指数を安定させるかもしれないが、ブレイクアウトが確立すると15,700に向けて下落する可能性がある。
ナスダック100 テクニカルチャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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