※2023年6月27日11時20分更新
ナスダック100見通し
- 26日のナスダック100指数は強気心理の後退が続く中、前週から下げ幅を拡大し、1%超下落した
- 最近の反落にもかかわらず、ナスダック100は今年、35%超上昇している
- 本記事では、今後数日間、注目すべきナスダック100の主要なテクニカル水準を検証する



週明け26日の米国株式市場でナスダック100種株価指数は下落。大型株の売りが足を引っ張り、前週から下げ幅を拡大した。強気心理が衰え続ける中、アルファベット、テスラ、エヌビディアは、ここ数カ月の「人工知能(AI)」熱狂から恩恵を享受してきただけに、大幅下落を余儀なくされた。
午後の取引では、ナスダック100指数は約1.05%安の14,900となり、日中それまでの0.9%の上昇分を取り消しにした。同指数は最近、下落しているものの、年初来では35%超上昇している。S&P 500種株価指数、ダウ工業株30種平均、ラッセル2000指数を大きく引き離し、2023年の米国株価指数のパフォーマンスとしてはトップを走り続けている。
今後、テクノロジー株は現実を目の当たりにし、波乱含みの展開が予想される。米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げサイクル、経済活動の鈍化、流動性の低下は、夏に向けてリスク資産に不利に働くだろう。特に、FRBがタカ派的なガイダンスを堅持し、インフレ対策の一環として年後半に追加利上げを実施する場合はなおさらである。
経済は底堅く推移しているが、金利が5%を超える状態が長く続けば、景気浮揚を継続させるのは難しくなるだろう。引き締めの影響が十分に行き渡れば、経済活動に亀裂が生じ、株式にとっては不利な環境が生まれることになる。そうなれば、ファンダメンタルズを根拠に、というより2023年の上昇相場の波に乗って上昇し、高いバリュエーションに達した資産は、より大きな下落圧力にさらされるだろう。
テクニカル面では、ナスダック100がここからさらに下げ幅を拡大した場合、14,800が最初のサポートとなるが、これを割り込むと一段安となる可能性がある。その場合、次の下値目標は14,300、次いで心理的水準14,000となる。逆に、押し目買いが戻り、それが反転のきっかけとなった場合は、レジスタンスは15,275、その後には15,500が控えている。
ナスダック100 テクニカルチャート
資料:TradingView
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--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著