※2023年6月20日15時00分更新
原油、WTI、天然ガス – 見通し



原油と天然ガスはトレンドが固まりつつあるようだ。原油のセンチメントはかなり強気で、相場上昇の可能性を高めている。一方、数カ月にわたって低迷してきた天然ガスは、上昇に転じる準備に入り始めたように見える。
IGクライアントセンチメント
2023年6月20日14時35分時点
原油:強弱まちまちの材料で相殺
原油先物相場はここ数週間、ほとんど動いていない。主要産油国でつくる石油輸出国機構(OPEC)プラスによる減産表明は、中国経済見通しの悪化というマイナス材料によって相殺された。しかし、個人トレーダーの動向を示すIGクライアントセンチメントによると、過去1週間でロングポジションは30%減少したが、その後は個人トレーダーの約77%がロング(原油の買い持ち)に傾いている。IGCSは時として、原油相場の上昇を示すなど、将来の方向性を示唆することがある。
原油 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
テクニカルチャートでは、原油価格は2021年8月の安値62.10をわずかに上回る水準に位置する200週移動平均線(現在67.40付近)というかなり強い収束サポートを上回って推移している。ここ数週間、下降トレンドは勢いを失っているように見えるが、上昇の勢いには欠ける。4月の高値83.50を上方ブレイクしない限り、原油相場は横ばいから下降の動きとなる公算が大きい。
天然ガス 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
天然ガス: さらなる上昇を目指す?
天然ガス先物相場は、89日移動平均線、日足チャート上の一目均衡表の雲上限、そして5月の高値という重要な収束レジスタンスを上抜けようとしている。底入れを確認するためには、このレジスタンスを上方ブレイクする必要がある。収束バリアに位置する水準をどれでもブレイクアウトすれば、まずは3.03-3.20(3月高値と30週移動平均線を含む)に向かって上昇する可能性が開かれる。収束レジスタンスごと上方ブレイクすれば、200日移動平均線(現在4.20近辺)に向けて上昇する可能性がある。
天然ガス 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
天然ガスは心理的水準2.00辺りに位置するサポートが維持されているため、下降圧力はここ数週間、和らいでいる。5月22日付、5月18日付の記事(英語のみ)で強調したように、トレンドはもはや弱気ではない。2月21日付記事「天然ガス価格見通し:下落は行き過ぎ?」をご参照ください。
天然ガス 週足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView、下記の注意書き参照
このチャートでは、青いローソク足は強気が優勢な局面、赤いローソク足は弱気が優勢な局面を示しています。黒いローソク足はもみ合い局面を表していますが、時にはトレンドの終焉を形成することもあります。
注:ローソクの色は予測ではなく、単にその時のトレンドを示しています。実際、ローソクの色は次のローソクの際に変化することがあります。200期間移動平均線付近やサポート/レジスタンス付近、もみ合い/不安定な値動きの際は、本来のトレンドとは異なる、騙しのパターンが発生する可能性もあります。筆者は情報の正確さを保証しかねます。また、過去のパフォーマンスは将来のパフォーマンスを示唆するものではありません。本情報のご利用は、自己責任にてお願いします。



--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。