強気継続の中、エントリー機会を待つ忍耐が必要
テクニカル分析の観点からは、金価格の強気予想はファンダメンタルタルズが示唆するより期待できないかもしれない。プラスに作用する多くのモメンタムがすでに価格に織り込まれており、リスクとリターンの割合はあまりよいとは言えないだろう。
このことを念頭に置くと、強気継続の予想を評価する前に、大きな引き戻し(プルバック)が見込まれる。金にとって最初のサポートラインは2,010ドル付近であり、より大きな引き戻しでは1,956ドルが注目される。なお、中期的な上昇トレンドは金価格が上昇を続ける前に落ち込む時期が顕著であったため、2024年第1四半期に再び引き戻しが起こる可能性を考慮しておくのが妥当だろう。
上昇局面では、注目すべきレジスタンスの水準は2,075ドルであり、その次は2,146.79ドルである。値動きに十分な勢いがあれば、史上最高値2,146.79ドルを再び試すはずだ。この展開には、強気トレンドが続く中で、よりよい取引のエントリー機会を待つ自制心が必要とされる。
金/米ドル(XAU/USD) 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
第1四半期を前に、銀は強気のセンチメントに対して反応薄
銀価格は金とは異なり史上最高値を更新できず、年初来高値も更新できなかった。2024年第1四半期に銀価格は上昇する可能性があるが、金価格より遅れて上昇する展開が見込まれる。
銀価格は以前の下降チャネルを抜けたが、再びチャネル内に下落した。2023年が終わろうとしている現在、また別の上昇が見られており、2021年から2022年にかけての主な下落のフィボナッチ・リトレースメント50%の水準23.85ドル付近で取引されている。
また金と同様に、引き戻しはよりよい取引の機会となるだろう。フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準22.35ドルや21.43が、さらなる上昇が期待できる注目の水準である。
以前のレジスタンスであった25.00ドルの水準は、2023年を通じて26.10ドルが週足で上限となっていることから、重要な水準となる可能性がある。なぜなら、この25ドルの水準では、2021年末と2023年9月に強気の動きが中断されているからだ。
銀/米ドル(XAG/USD) 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:リチャード・スノー
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