※2023年11月21日11時24分更新
金相場は先週上昇し、プラス圏で引けたが、今週は軟調な滑り出しとなった。相場を動かす次の材料として、きょう公表されるFOMC議事要旨とガザ戦争の新局面に注目している。
金、銀相場の分析
- 金相場は先週上昇したが、軟調な滑り出しとなった – 今週は経済イベントが少ない
- 米FOMC議事要旨とイスラエル・ハマス戦争の新局面に関する報道が次の相場材料として注目される
- 銀相場はチャネルレジスタンスに直面
このレポートでは、チャートパターンおよびサポート/レジスタンスの主要な水準を用いて分析している。詳細については、当社の学習コンテンツをご覧ください
金相場は先週の上昇が一服
金先物相場は先週上昇し、2週間続いた下落に終止符を打った。しかし先週金曜の値動きは、今週は軟調な展開となることを予告していた。先週金曜に上ヒゲが示現したためで、今週初めに反落の可能性があることを示していた。
値動きは現在、下降に向かい、1,985ドルを下回って取引されており、1,937ドルの水準が次のサポートとして意識されている。1,937ドルは200日単純移動平均線(SMA)とほぼ一致しており、重要な水準である。
金相場は、ドル売りのきっかけとなった米消費者物価指数(CPI)の軟化が発表された前日である11月13日に安値を付けたが、その後はドル安と米国債利回りの低下に支えられている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、ドル相場に影響を与える限り、今週の貴金属相場を動かす要因になり得る。FOMC議事要旨の公表以外は比較的静かな週だが、イスラエル・ハマス戦争の新たな局面を受け、金相場は再び値固めの展開となるかもしれない。
金 (XAU/USD) 日足チャート
チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView
金の30日間予想ボラティリティ指数は、短期間もみ合った後、低下し続けている。この傾向が長く続くと、紛争が始まった時のように金相場が急騰することはないだろうが、金はさらなるドル売りと一段の米国債利回り低下を背景に有利なポジションにあると言える。
金の30日間予想ボラティリティ指数 (GVZ)
チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView
銀、チャネルレジスタンスに直面
銀先物相場も先週上昇し、チャネルの上限ライン(レジスタンス)および(それほど重要ではないが)フィボナッチ・リトレースメント50%の水準まで上昇した。とはいえ、週明けは下げに転じており、このまま下落が続くと22.35ドル(フィボナッチ38.2%の水準)がサポートとして視野に入る可能性がある。さらなる下落局面では、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準20.52ドルがチャネルサポートとなろう。
銀 (XAG/USD) 週足チャート
チャート作成:リチャード・スノー、資料:TradingView
--- DailyFX.com リチャード・スノー著
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