金、金/ドル、NYダウ、欧州中銀、上昇ウェッジ - APAC市場寄り付き
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APAC市場まとめ - 欧州の中央銀行の相次ぐ利上げ受け、金、NYダウは下落
15日のニューヨーク金先物相場は前日比で1.7%下落し、下落率はこの3カ月で最大となった。欧州の取引時間中、欧州の中央銀行が相次ぎ政策金利を決定したことを受け、金相場に下落圧力がかかった。これらの中央銀行にはスイス国立銀行(SNB、中央銀行)、イングランド銀行(BOE、同)、欧州中央銀行(ECB)が含まれる。米国時間14日には米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を引き上げた。
スイス中銀、英中銀、欧州中銀は、世界経済の減速懸念が高まる中、過去数十年で最も高水準なインフレに引き続き対抗するため、政策金利を引き上げた。3行のうち最も注目されたのは欧州中銀で、予想よりもはるかに積極的な引き締め姿勢を示し、市場を驚かせた。欧州中銀はインフレ見通しを上方修正し、「安定したペースで大幅に金利を引き上げる必要がある」と述べた。
わずか24時間の間に、市場は今後1年間の欧州中銀による利上げ幅予想を30ベーシスポイント超上乗せした。中央銀行による金利引き上げと米国債利回りの上昇を背景に、今年に入ってから下落圧力にさらされてきた金相場にとって、これは良い兆候とは言えなかった。欧州中銀が市場予想以上にタカ派的であることもリスク回避的な投資行動を誘発し、15日の米国株式相場は大幅続落した。ダウ工業株30種平均は前日比で2.35%下落した。このため、資金の安全な逃避先と見られているドルの需要が高まり、金相場はさらに圧迫された。
欧州の中央銀行らによる利上げ実施がリスク回避を誘発
資料:TradingView
12月16日のAPAC市場 - センチメントに注目が集まる
16 日のAPAC(アジア太平洋地域)市場に目立った経済イベントリスクはなく、トレーダーの関心は一般的なリスク選好に向きそうだ。15 日の米国株式相場は振るわなかったため、日経平均株価、豪ASX 200株価指数、香港ハンセン指数の地合いは脆弱である。そのため、トレーダーが資産の安全な逃避先を求め、ドルへの需要が高まれば、金相場は下げ幅拡大リスクが高まるだろう。
金相場 テクニカル分析
日足チャートで金先物相場は、弱気のチャートパターンと言われる上昇ウェッジを下抜けした。この値動きにより、金/ドルは下押しリスクにさらされ、特に価格の下落が確認された場合、そのリスクはさらに高まる。また、RSI(相対力指数)では上昇の勢いが弱まっていることを示す、弱気のダイバージェンスが発生している。当面のサポートであるフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1,775を割り込むと、50日単純移動平均線が視野に入ってくる。この移動平均線がサポートとして下値を支え、短期的な上昇相場が復活する可能性もある。
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金/ドル 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。