※2023年7月14日11時46分更新
ドル/円、英ポンド/ドルの見通し



ドル/円は13日、米国債利回りの低下に引きずられ、下げ幅を拡大した。11日以降、10年物国債利回りは30ベーシスポイント近く低下して3.8%を付け、前週からの上昇分をすべて帳消しにした。米国の消費者物価指数と生産者物価指数が予想以上に軟化したことを受け、米国債利回りはここ数日、低下が加速していた。
市場の見方は依然として流動的だが、物価上昇圧力が急速に衰えれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は引き締めサイクルを予想よりも早く終了させる可能性がある。つまり、ほぼ完全に織り込まれている7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での25ベーシスポイントの引き上げは、利上げが長期で停止される前の最後の引き締めとなる可能性があり、この状況は為替市場においてドルを弱体化させるかもしれない。
値動き分析に目を向けると、ドル/円は50日単純移動平均線と3月の安値圏を始点としたトレンドラインを下方ブレイクした後、ここ数日で大きく下げている。この反落を受け、価格は1-6月の上昇をベースとしたフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準という重要なサポートエリアに到達している。この水準を下抜けると、200日単純移動平均線、そして134.00の下値を目指す展開が予想される。
反面、ドル/円が現在の水準で下値を固め、再びその水準から反発するなら、最初のレジスタンスは139.25、その後は140.00が控えている。この2つのテクニカルバリアを突破すると、追随買いを誘い、強気派が勢いを取り戻して心理的水準141.00の大台に向けて上昇する可能性が開ける。
ドル/円のテクニカルチャート
資料:TradingView
英ポンド/ドルのテクニカル分析
英ポンド/ドルは13日に1.3000の重要なテクニカルレジスタンスを突破した。1.3100も軽々と超え、2022年4月以来の最高値を更新した。この堅調な上昇の後、価格は下図の日足チャートに示すように、1.3150付近の重要な天井に近づいている。大幅上昇の後で買われ過ぎの状況ということを考慮すると、このレジスタンスを上回るのは難しいように思えるが、強気ブレイクアウトの可能性は残っており、これが確認されれば、1.3290に向かって上昇する可能性が開ける。
一方、上昇の勢いが弱まり始め、価格が下落に転じた場合、心理的水準1.3000が最初のサポートとなるが、このゾーンを下抜けた場合、さらに下げ幅を拡大する展開が予想され、次の下値ターゲットは1.2840、次いで1.2680となるだろう。
英ポンド/ドルのテクニカルチャート
資料:TradingView



--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著