感謝祭やクリスマスなどの年末イベントも過ぎ去り、パーティも減ってプレゼントもすべてもらい終えました。1月になると季節的には楽しみが少なくなりますが、気分を盛り上げていけるような株式の強気な動きを期待すべきでしょうか?本記事では、1月効果(ジャニュアリーエフェクト)とは何か、その歴史的な妥当性、そしてこの時期の株式の分析方法を探っていきます。
株の有名なアノマリー「1月効果」とは?
1月効果とは、1月に株価が上昇トレンドを示しやすくなる季節的な現象のことです。しかし、それは本当なのでしょうか。確かに歴史的な傾向は存在します。ナスダック100は、1972年以降、1月の株価は48回中31回も上昇しています。
最近の傾向として主要市場ではあまり顕著ではありませんが、過去3回の1月には、S&P 500、DAX 30、上海証券取引所(SSE)において上昇トレンドが見ることができました(下図参照)。小型株が大型株をアウトパフォームするというパターンを指摘する人もいますが、その一方で1月効果は企業規模に関わらず、全般的に株価が低迷しているとみなした方が正しいという意見もあります。

何が1月効果を生み出しているのか
1月効果はキャピタルゲインを相殺するために、損失の出ている株式や投資信託等を売却することによって引き起こされる12月の大幅下落が原因であるとよく言われています。その結果、資産価格が低迷し、年初に魅力的な買い場が生じると考える人もいるようです。
また、1月の株式マーケットのトレンドは、投資家が季節のボーナスを株式に投資することによっても説明できますが、新年に向けて新たなポートフォリオを構築しようとする投資家の心理も影響していると考えられます。
1月効果の株式への影響例
以下の表は、近年において、1月効果が 主要株価指数にどの程度の影響を与えたかを示しています。各年とも、1月の最初の取引日の始値から月末の取引日の終値までの指数の価格を測定し、その期間中の増減率を表示しています(1%未満は四捨五入)。
表からわかるように、S&P500、DAX30、SSEは過去20年のうち10回は1月に価格が上昇し、FTSE100 は7回、そして 日経平均は6回上昇しています、2019年の1月においては全ての指数が上昇を示しました。
20年間の1月の株式トレンド
S&P 500 | FTSE 100 | DAX | 日経平均 | 上海(SSE) | |
---|---|---|---|---|---|
2000 | -5 | -9 | -2 | +3 | +12 |
2001 | +3 | +1 | +6 | -0 | -0 |
2002 | -2 | -1 | -1 | -6 | -9 |
2003 | -3 | -9 | -5 | -4 | +10 |
2004 | +2 | -2 | +2 | -0 | +6 |
2005 | -3 | +1 | -0 | -1 | -6 |
2006 | +3 | +2.5 | +5 | +2 | +8 |
2007 | +1 | -0 | +3 | +0 | +2 |
2008 | -6 | -9 | -15 | -10 | -16 |
2009 | -9 | -6 | -11 | -11 | +8 |
2010 | -4 | -4 | -6 | -4 | -9 |
2011 | +2 | -0 | +1 | -1 | -0 |
2012 | +4 | +2 | +9 | +3 | +4 |
2013 | +5 | +6 | +1 | +5 | +4 |
2014 | -3 | -3 | -3 | -8 | -4 |
2015 | -3 | +3 | +8 | -0 | +1 |
2016 | -5 | -2 | -7 | -7 | -27 |
2017 | +1 | -0 | +1 | -1 | +2 |
2018 | +5 | -2 | +2 | +0 | +5 |
2019 | +9 | +4 | +7 | +6 | +3 |



1月効果の分析方法
1月効果を分析するには、まず、ホリデーシーズン前後に下落する可能性のある銘柄を見極めることから始めます。年末に株価が下がるのは、個人投資家が12月に損失が出ている銘柄を売却してキャピタルゲインを相殺する「タックス・ロス・セリング」が原因であることが多いのですが、それに加えて、年間を通じて株式に影響を与える通常のファンダメンタルズ要因によるものもあります。このような低迷した銘柄は、熟練した投資家であればうまく活用できる可能性もありますが、銘柄選択には大きなリスクが伴います。
1月効果に関するよくある質問(FAQ)
株式マーケットのリターンが異なるのは1月だけでしょうか?
株式市場のリターンが特異な動きを見せるのは、1月だけではありません。1928年以降のS&P500指数のデータによると、1月の平均リターンは1%ですが、この数値を3月(1.2%)、4月(1.5%)、11月(1.5%)などが上回っています。9月は伝統的に、下落(マイナス0.5%)しているので、こうした季節的なパターンも考慮した方がよいでしょう。
過去の実績は将来の成果を示すものではありません。
1月の株式トレードでは、どのようにリスク管理すればよいのでしょうか?
効果的な リスク管理 はトレードに不可欠ですが、株式マーケットのボラティリティ が高まる局面では特に大切です。適切なストップロスの価格を決定する、分散されたポートフォリオを維持する、感情をコントロールする、高めのリスク・リターン率を維持する、といったことで口座の資金を守ることができます。
1月効果に備えて株式トレードに必要な知識は何ですか?
ファンダメンタルズにもとづいたトレードは、1月に発生するかもしれない急騰の場面に備えることができるでしょう。収益、将来の成長性、利益率などの企業の財務状況のほか、市場シェア、主要スタッフの人事などを調査する必要があります。これらを把握することで、その企業の株式の値動きを理解し将来の変動を予想できるようになるのです。
株式トレードに関するその他の情報
株式ポートフォリオの幅を広げたいトレーダーには、株式の知識を深めるために役立つ記事をおすすめします。