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天然ガスの投資方法とは?季節性や貯蔵量を利用する投資戦略を解説

天然ガスの投資方法とは?季節性や貯蔵量を利用する投資戦略を解説

リチャード・スノー, ストラテジスト
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

天然ガスへの投資はデイトレーダーの間で特に人気があります。流動性が高く、スプレッドが狭いためトレードを始めやすいからです。また、天然ガスはマクロ的な資産で、トレンドが長期にわたって維持される商品として長期トレーダーにも魅力的です。天然ガスは一般的に、ボラティリティの影響を受けやすく、価格が大幅に上昇することがあります。ボラティリティの変動には季節的な要素が含まれており、トレーダーが利用できる点はメリットと言えるでしょう。

本記事では、天然ガス投資の特徴や魅力、投資戦略を構築するうえで知っておくべきポイントを解説します。

トレードの基礎知識

コモディティ取引の基本

推薦者: リチャード・スノー

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天然ガス投資の特徴

まず、天然ガス投資の特徴について解説します。

天然ガスの季節ごとにおける消費パターン

天然ガスは暖房、発電、工業用途に最も多く使用されます。天然ガスは年に2回、季節ごとに消費量のピークがあり、米国のさまざまなセクターでの使用状況を理解することが大切です。

以下のグラフは、夏季のピーク(赤丸)と、毎年1月頃にピークを迎える冬季のピーク(青線の先端)を示しています。

image1.png

冬季(平均価格が高い):一般家庭や企業が主に暖房でガスを使用するため、夏季に貯蔵されたガスの相当量が消費されます。大きなピークは通常、冬季に訪れます。

夏季(平均価格が高い):夏場の電力需要が最も高くなる時期に小さなピークが見られます。冷房の使用量が増えることが原因です。

季節による天然ガスの価格変動を利用した取引方法

以下のチャートは、近年の冬期における価格動向(高値と安値)を示しています。

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冬季に大規模な価格変動によって、天然ガスの価格が急騰していることが確認できます。この場合、急騰した前後のタイミングでエントリーする取引戦略が有効です。

また、冬場のトレードを検討する際には、1年で最も寒い時期に向けてトレンドに沿った動きをする前のプルバック(引き戻し)やもみ合いの期間を探すことが重要です。

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特に貯蔵量が平均よりも少ない場合、真冬に向けて価格が上昇することは珍しくないため、ロングトレードに適しているといわれます。

天然ガスへの投資戦略:貯蔵に関する数値(需要と供給)との関係性

次に、天然ガスへ投資するうえで重要となる、貯蔵量との関係性について解説します。

天然ガスの価格は貯蔵量の発表前後に変動しやすい

需要と供給の原則は、天然ガスの投資でも重要視しなければなりません。天然ガスの貯蔵データは、米国エネルギー情報局のウェブサイトで毎週確認できます。以下の表では、地域ごとの貯蔵量変化における内訳を週ごと、年ごとおよび5年ごとの平均で示しています。

米国エネルギー情報局の週間天然ガス貯蔵量

image4.png

天然ガスは貯蔵量の発表前後に変動しやすい傾向があるため、できるだけ早く数値を得ることが大切です。DailyFXが提供する経済指標カレンダーでは、以下のようにトレードや市場に関連するデータをタイムリーに確認できます。

image5.png

天然ガスの貯蔵量が価格に与える影響

貯蔵量の急激な減少や平均量以下の状態が長期間継続すると、将来の価格に影響を与える可能性が高くなります。下の図は2015年9月から2020年9月までの5年間における天然ガス価格(黒の点線)と、米国の天然ガス貯蔵量の変化(青の線)を比較したものです。

天然ガスの貯蔵量と価格の関係

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上の図では、赤枠で示された特徴的な現象が繰り返し発生していることが分かります。この減少は、貯蔵量の数値が減少する冬季に毎年同じように現れていますが、理由としては暖房用などの需要増加に伴い、貯蔵量が減少したからです。貯蔵されている天然ガスは、寒い時期になると需要が供給を上回るため価格が上昇します。また、寒さが和らいでくるとガス需要が減ることで貯蔵量が再び増えてきます。このような価格調整は、需要と供給を均衡に戻すための自然なメカニズムです。

貯蔵数値の変化は季節性を裏付けるものであると言えますが、天然ガスの貯蔵量に影響を与える要因としては異常気象があることも念頭においてください。

このように長期間で天然ガスの市場を観察することで、短い時間軸では見えてこないトレンドやパターンを見極められます。この分析手法はマルチタイムフレーム分析と呼ばれ、市場をより深く理解するための一般的な方法です。

また、冬期トレンドの方向性を検討する中では、さまざまなテクニカル指標を活用することも有効です。貯蔵量が減少して価格が上昇するタイミングを見極めるのに役立ちます。

天然ガスへの投資戦略:経済状況と供給の混乱を活用する

経済状況が悪化したり供給が混乱したりすることで、天然ガスの価格は変動しやすくなります。ここでは、経済サイクルや供給の混乱を活用する投資方法を紹介しましょう。

経済サイクルをトレンドフィルターとして使用する

天然ガスは産業プロセスと密接な関係にあるため、経済状況も価格に影響を与えます。経済が成長しているときはインフラへの投資が増え、それを支えるための機械需要が増えていきます。さらに天然ガスはアンモニア、メタノール、ブタン、エタン、プロパンなど、さまざまな化学物質の生産に使用されるため、製造業も活発になる傾向があります。

一般的に景気が良くなると、天然ガスの需要が増えて価格が上昇する可能性が高いと言えます。以下のチャートは、天然ガス価格には景気に合わせて動く傾向があることを示しています。

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経済の健全性を示す指標であるS&P500(赤線)に対して、天然ガス価格(青線)が極端に上昇したことが確認できます。

こうした理由から、トレンドトレーダーは現在の経済サイクルがどの段階にあるかを注視しておかなければなりません。景気が拡大していればロングトレード、景気が縮小していればショートトレードといった具合に、適切な時期を見極めたトレードを心がけましょう。

供給の混乱に注目する

極端な寒波やハリケーンなどの異常気象は、インフラの損傷や天然ガスの輸送遅延などに影響することがあります。そのようなケースでは、特に重大な供給混乱を引き起こす可能性があるでしょう。実際に起きた例を基に、混乱を引き起こす極端なケースについて詳しく説明します。

以下のチャートでは、異常気象による天然ガスの価格高騰を示しています。

image8.png

2000〜2001年:長年の生産量減少に続く需要の増加によって、価格の急騰が発生しました。平年よりも寒い日が続いたことで需要が増加しましたが、需要が少ない期間が長く続いたことで貯蔵量が極端に減少し、大規模な価格ショックが発生しています。

2005年:8月、メキシコ湾を襲ったハリケーン「カトリーナ」によって急騰しました。メキシコ湾は米国の天然ガス処理プラントの総容量で51%を占めており、天然ガス市場にとって極めて重要な地域です。このハリケーンにより、メキシコ湾からの供給に大きな影響を受けて価格が急激に上昇しました。

2008年:この年に発生したハリケーン「グスタフ」と「アイク」は、メキシコ湾とルイジアナ州の生産停止を引き起こしました。夏に急上昇して冬に下降するという季節的な値動きとは、逆の結果が起きています。

投資家は利益を得るチャンスとして、ロングのエントリータイミングを見極めなければなりません。そのためには、天然ガスのサプライチェーンに直接影響を与える地域の貯蔵量と異常気象に関する最新情報を入手することが重要です。

天然ガスに投資する具体的な方法と取引時間

ここでは、天然ガスに投資する具体的な方法を紹介します。

天然ガスに関連する個別銘柄を選ぶ

個別株

天然ガスへの投資として、天然ガスに関連する個別銘柄が挙げられます。資源開発会社や商社などが該当しますが、これらの企業は天然ガスの探索、技術開発、生産、配送などの業務を担っており、その業績は天然ガス市場の動向と関連しています。

特に注目すべきは、天然ガスをマイナス162度で液化したものであるLNG(液化天然ガス)関連の企業です。LNGはその取扱いや輸送の利便性から、世界的な需要が増加しています。中でも日本は、中近東などの産地から大量にLNGを輸入する国として知られているため、日本のLNG関連企業に注目することが大切です。

<LNG関連銘柄の例>

  • 資源開発会社:エクソンモービル、シェルなど
  • 商社:三菱商事、三井物産など

ETF

ETF(Exchange Traded Fund)とは、証券取引所上で取引される投資信託の一種のことです。天然ガス関連の価格変動に連動するETFに投資することもおすすめです。

天然ガスに特化したETFと、エネルギー全般をカバーするETFが存在します。天然ガスETFでは、天然ガスの価格変動に直接連動するものや、天然ガス関連企業の株価に連動するものがあります。一方、エネルギー全般をカバーするETFでは、天然ガスだけでなく石油など他のエネルギー資源も含まれます。

このようなETFを利用するメリットは、分散投資によるリスク軽減が挙げられます。1つの銘柄に絞った投資ではなく、複数の銘柄に投資することでリスクを分散できます。また、個別銘柄の選択に時間をかける必要がないため、投資初心者でも手軽に天然ガス投資を始められることがメリットです。

先物取引

先物取引は、天然ガス投資においてハイリスク・ハイリターンとなる選択肢の1つです。先物取引とは、将来のある時点で特定の価格で天然ガスを売買する契約を行う取引方法のことです。先物取引の魅力は、取引価格が固定されるため、価格変動リスクから自身を守ることができる点です。

しかし、同時にリスクも伴います。例えば、契約した価格より実際の市場価格が下落した場合、その差額を補う必要が生じます。また、先物取引はレバレッジを利用できるため、大きな利益を狙えますが、逆に大きな損失を被る可能性もあるため注意しなければなりません。

【関連記事】天然ガスはCFD(差金決済取引)でも取引できます。「天然ガスCFDの特徴や取引方法を解説!価格調整額やファンディングコストとは?」で、詳しく知ることができます。

天然ガスの取引時間帯

天然ガスに投資する際には、市場の取引時間帯を把握することが重要です。天然ガスの世界的な価格基準であるNYMEXヘンリーハブ天然ガス先物(NG)の取引時間帯は、以下の通りです。

米国中部標準時 日~金の午後5:00~午後4:00(日本時間 月~土の午前8:00~午前7:00)

※毎日午後4:00(日本時間午前7:00)から60分間の休憩

天然ガスの投資戦略を構築するために知っておくべきポイント

最後に、天然ガスの投資戦略を構築する際に知っておくべきポイントを紹介します。

リスク管理の重要性

天然ガス投資の利益を最大化し、損失を最小限に抑えるためにはリスク管理が不可欠です。特に、価格変動のリスクは無視できません。天然ガスの価格は、供給量や需給バランス、気候変動、政治など多様な要素により影響を受け、これらの要素が複雑に絡み合って価格変動を引き起こします。

一方、投資方法によってもリスクは異なります。例えば、先物取引は大きな利益を生む可能性がありますが、同時に損失を被るリスクも高まります。また、個別銘柄の選択では、会社の業績や経営状況によるリスクが伴います。リスク管理の基本は、投資金額の範囲を決め、多様な資産に分散投資することが大切です。

定期的な市場分析と見直し

天然ガスの市場動向は絶えず変化するので、その動きに合わせて戦略を更新しなければなりません。

まず、市場分析では、天然ガスの需給バランスや地政学的リスクなど、価格変動の要因を把握します。また、関連企業の財務状況や業界ニュースなどもチェックしましょう。

次に、投資ポートフォリオの見直しでは、現在の投資が将来の市場予測と合致しているかを評価します。例えば、以下のように見直しを行います。

  • 個別銘柄:業績予想と株価の見直し
  • ETF:セクターごとのパフォーマンスとリバランス
  • 先物取引:既存ポジションの見直し、新規ポジションの検討

情報収集の方法と信頼性の確認

天然ガス投資における情報収集は、適切な投資戦略を構築するうえで欠かせないでしょう。情報収集の方法として、公式な統計データを参考にすることが有効です。例えば、EIA(米国エネルギー情報局)などの公的機関から発行される報告書は、市場の動きを理解するための信頼性の高い情報源と言えます。

また、専門的な業界ニュースや分析レポートも参考になります。天然ガス市場の最新動向を詳細に報じ、専門家の見解を提供してくれるはずです。

ただし、情報の信頼性を確認するためには、情報源が公正かつ正確であることを確認することが重要です。特に、インターネット上の情報は必ずしも信頼できるとは限りません。情報を提供している組織や個人の背景、その他の情報源との照らし合わせなど、情報の信頼性を検証する工夫が求められます。

まとめ

天然ガスへの投資は、季節ごとの価格変動や貯蔵量による影響など他の金融商品にはない特徴があります。経済サイクルの変動を予測して、利益を狙えることが魅力です。個別銘柄やETF、先物取引を通じて投資できますが、それぞれの投資方法におけるメリットやデメリットなどを理解することが大切です。ただし、リスク管理や定期的な市場分析などのポイントも押さえなければなりません。ァンダメンタルズ分析だけでなく、テクニカル分析も学ぶことで投資判断に役立つはずです。

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