※2024年1月25日11時40分更新
このレポートでは、NY金価格の見通しに焦点を当てる。来週のFOMC会合を前に、今後数日間においてレジスタンスまたはサポートとなり得る重要な価格水準を分析する。
NY金価格の見通し
- 金価格はここ数日、小動きだが、今年に入って2%超下落している
- 今夜(日本時間22:30)発表の米コアPCEがNY金価格の短期的な見通しを導く可能性が高い
- このレポートでは、今後数日間に注目すべき金/ドルの主要なテクニカル水準について考察する
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変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 10% | -5% | 3% |
週次 | 5% | 3% | 4% |
25日のニューヨーク金先物相場(XAU/USD)は、米国内総生産(GDP)が予想を上回ったにもかかわらず、米国債利回りが低下したことに支えられ、小幅上昇した。
金価格は今年に入って2%超下落しているが、最近の動きを見てみると、ここ数日は方向感に欠けている。しかし、今夜(日本時間22:30)は2023年12月の米個人消費支出(PCE)が発表されるため、週末に向けてボラティリティが高まる可能性がある。PCEは米連邦準備制度理事会(FRB)が重視している経済指標で、来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での金融政策の決定に影響を与える可能性があるからだ。
予想では、2023年12月のPCEは前月比で0.2%上昇、前年同月比での伸びは前月の3.2%から3.0%に鈍化すると見られている。予想通りであれば、インフレはFRBが期待する進展具合と言える。
今後発表される米経済指標
最近の米GDPや労働市場のデータにも表れているように、米国経済は依然として非常に好調であるため、トレーダーはインフレ動向に細心の注意を払う必要がある。ディスインフレの進展が軽微なものにとどまるなら、市場はFRBの政策方針に対する過度な金融緩和期待を後退させる可能性が高い。そうなった場合、米国債利回りは上昇し、貴金属にはマイナスに働くだろう。
一方、物価上昇圧力の低下傾向が続けば、FRBはハト派方向に向いていた政策を制限する障害が少なくなり、経済活動が好調を維持したとしても、3月の利下げ実施は十分可能になってくる。年率ベースで見たPCEコア価格指数の伸び率が3.0%の予想値を下回れば、このシナリオが現実化するだろう。
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NY金 テクニカル分析
金価格は先週、数週間ぶりの安値まで下落したが、ここ数日は安定している。価格は2,030ドルに位置するトレンドライン(レジスタンス)と2,005ドル近辺で推移する水平サポートラインの間にとどまっている。方向性のある大きな動きとなるには、このいずれかのテクニカル水準を突破することが不可欠であり、それが実現しない限りはレンジ相場が続く可能性が高い。
金/ドルが強気にブレイクアウトした場合は、2,065ドルを目指す展開が予想される。さらなる上昇局面では2,080ドルが意識されよう。下方にブレイクした場合は、反落に対する防衛ラインは1,990ドル、次いで100日単純移動平均線付近の1,975ドルとなりそうだ。ここからさらに下げると、200日単純移動平均線の維持が焦点となる。
NY金 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
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