※2023年4月11日11時32分更新
ドル、ドル指数、米NFP、テクニカル分析 - APAC市場寄り付き



APAC市場まとめ - 先週発表の米NFPを完全に消化
10日のニューヨーク外国為替市場でドルは主要通貨に対して上昇し、最近のじり高が続いた格好となった。ドルの上昇は、先週金曜発表の米非農業部門雇用者数(NFP)が堅調な内容となったことに端を発している。この間、米国株式市場は聖金曜日(グッドフライデー)の祝日で休場だったため、週明け10日に流動性が回復するまで、この材料に対する市場の消化は不完全だった。
3月の米雇用者数は23万6,000人増加し、市場予想(23万人増)をわずかに上回った。2月の改定値(32万6,000人増)からは減速した。一方、失業率は3.6%から3.5%へと予想に反して低下し、労働参加率は62.5%から62.6%に上昇した。米国経済が失業率の上昇を伴わずに労働者の増加を吸収できたことが示唆された。
米雇用統計から得られた重要なポイントは、米連邦準備制度理事会(FRB)が5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で25ベーシスポイントの追加利上げを実施する可能性が残されたということである。こうした観測を背景に、米雇用統計の発表以降、米国債利回りは上昇している。それでも、米国株は落ち着いている。ダウ工業株30種平均株価とS&P 500種株価指数は10日、上昇して取引を終えた。一方、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数はほぼ横ばいだった。
11日のAPAC(アジア太平洋地域)市場では、中国の3月インフレ率(CPIとPPIの両方)が発表予定で、最も注目されている経済指標である。中国経済はゼロコロナ政策の大幅緩和後に回復していることから、投資家は、中国のインフレ率が物価上昇の兆候を示すかどうかに注目している。物価上昇は景気拡大を示唆するものでもある。
ドル相場のテクニカル分析
ドル指数を見ると、価格は重要なサポートゾーンである101-101.29に肉薄したものの、そこから上昇に転じたことが分かる。その後は高値を目指す展開となっているが、上値では100日単純移動平均線(SMA)が控えている。これがレジスタンスとして機能し、上値を抑える状態が続いている(3月に数回、上値抑制として機能した)。
ドル指数 日足チャート
資料:TradingView
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--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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