※2024年1月4日11時59分更新
本レポートでは、注目される米非農業部門雇用者数の発表を控える中、ゴールド価格の目先の値動きに焦点を当て、今後数日間に注目すべき重要なテクニカルレベルを分析する。
ゴールド(XAU/USD)見通し
- 米国債利回りとドルの上昇を受け、ゴールド価格は下降
- 5日発表の米雇用統計に注目が集まる
- このレポートでは、今後数日間で注目すべきゴールド/ドルの主要な水準を検証する
ドルが反発し続けるかどうか知りたいですか?当社の無料ガイド「第1四半期のドル相場見通し」を入手して、とっておきの洞察をご覧ください。
3日のニューヨーク金先物相場は、米国債利回りとドルの上昇が重しとなり、下落した。米国債利回りはここ数営業日で急上昇し、先月3.80%割れした10年債利回りは、心理的水準4.0%台回復まであと一歩のところまで迫っている。
下図は最近の市場の動きを示している。
米国債利回り、ドル指数(DXY)、金の推移
資料:TradingView
4日の動きを考慮すると、ゴールド価格は昨年12月下旬の高値から2.7%超後退している。投資家の間では、米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派姿勢を示した後の買われ過ぎの状況と有頂天になっているセンチメントをきっかけに、ゴールドは2024年初頭に反転するのではとの警戒感が広がっており、より慎重なポジションを取り始めるトレーダーが増えているようだ。
ゴールドはまだ上向きを維持しているが、上昇の軌道は直線的ではなく、より広範な上昇トレンド局面において小幅下落が発生する余地が残されている。いずれにせよ、5日に米労働統計局から最新の雇用統計が発表されれば、ゴールドの見通しはより明確になる。
トレーダーは米労働市場の健全性を探るため、非農業部門雇用者数(NFP)に注目すべきだろう。雇用が引き続き堅調であれば、金利予想はタカ派的な方向に傾き、米国債利回りとドルの回復を後押しする可能性がある。これはゴールドにとっては弱気に働くだろう。
逆に、雇用者数の伸びが市場予測を大きく下回った場合、2024年に向けて金融緩和に動くとの読みはほぼ妥当なものとなりそうだ。そうなれば、米国債利回りとドルに下落圧力がかかり、ゴールドが再び上昇する好条件が整う。
下図は、アナリストが予想するNFPの数値を示している。
ファンダメンタルズとテクニカルの両見地から探った洞察が詰まったゴールドの中期的な分析見通しを知りたい方は、当社の無料ガイド「第1四半期の金相場見通し」を今すぐダウンロードしてください。
ゴールド テクニカル分析
3日のニューヨーク金先物相場は、テクニカルサポートである2,050―2,045ドルを割り込み、下落した。ゴールド価格がこの水準を下回る状態が長く続けば、売り手は2,010ドル近辺に位置する50日単純移動平均線を目指して下落圧力を強めるかもしれない。弱含みが続けば、焦点は1,990ドル、次いで1,975ドルに移る可能性がある。
一方、センチメントが強気に傾き、ゴールド/ドルが上昇を再開した場合は、2,045―2,050ドルがレジスタンスとなろう。この壁を克服することは強気派にとって難しいかもしれないが、突破に成功すれば、昨年12月下旬の高値を再び試す道が開かれる可能性がある。さらに強含めば、2,150ドル近辺の史上最高値に再び関心が向かいそうだ。
トレーダーのポジション状況がゴールド価格をどのように形成するのか気になりませんか? 当社の無料センチメントガイドがあなたの求める答えを提供します。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 9% | -5% | 2% |
週次 | 6% | 1% | 4% |
ゴールド価格 テクニカルチャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com マーケットストラテジスト ディエゴ・コルマン著
新たなレポートの配信等はX(旧Twitter)アカウント @DailyFXJapan で確認できます。