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米CPI受け、ドル大幅下落:ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、ナスダック100、金の見通し

米CPI受け、ドル大幅下落:ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、ナスダック100、金の見通し

ディエゴ・コルマン, ストラテジスト
原著者
居林有里, 翻訳・編集主幹
翻訳者

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このページの内容

※2023年11月12時08分更新

インフレ指標が予想を下回り、相場は大きく動いた。本レポートでは、それを受け変動した主要な価格水準を考慮しながら、ユーロ/ドル、英ポンド/ドルナスダック100、金相場のテクニカル分析見通しに焦点を当てる。

ドル、ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、ナスダック100、金価格の見通し

  • 米インフレ率が予想を下回り、米国債利回りの低下とドルの下落を招いた
  • ユーロ/ドルと英ポンド/ドルは上値を切り上げ、数週間来の高値に
  • 金価格とナスダック100も上昇し、いずれも重要なテクニカル水準に迫る
推薦者: ディエゴ・コルマン
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14日夜(日本時間)に発表された10月の米消費者物価指数(CPI)は予想を下回った。これを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)による追加引き締めの可能性が低下し、FRBの政策金利水準が「higher for longer(より高く、より長く)」へ定着する観測が後退したことから、米国債利回りは急低下した。

この債券市場の動きにより、ドル相場全体が動揺し、ドル指数は1.5%超急落、2022年11月以来の下落率となった。こうした中、ユーロと英ポンドは上値を切り上げ、対ドルで数週間ぶりの高値をつけた。

金先物相場も上昇し、強気のテクニカルシグナルである200日単純移動平均線の上方ブレイクが確立した。ナスダック100種株価指数は約4カ月ぶりの高値を更新し、2023年の最高値まであと一歩のところまで迫った。

トレーダーは、FRBはインフレとの闘いを制し、2024年の積極的な利下げを実施するとすでに織り込んでいる。最近の市場の動きは勢いを増しており、短期的に値固めの展開になる可能性がある。そのため、米国債利回りとドルは下げ幅を拡大し、貴金属と株式はさらに上昇するかもしれない。

このレポートでは、ユーロ/ドル、英ポンド/ドル、ナスダック100指数、金価格をテクニカル分析の観点から精査する。14日に主要資産全体が注目に値する動きを見せたことを受け、注意すべき重要な価格水準について考察していく。

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ユーロ/ドル テクニカル分析

ユーロ/ドルは14日に上昇し、フィボナッチレベルのレジスタンスと200日単純移動平均線を上抜いた。モメンタムとセンチメントの改善を味方につけ、この先数日間、上値追いの展開となる可能性がある。レジスタンス候補は7月から10月にかけての反落のフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準1.0960だ。

一方、ユーロ/ドルが上昇を維持できず、再び売り優勢になった場合は、注視すべきテクニカルサポートは、まず1.0840付近で、次に心理的水準1.0800が続く。弱含みの展開が続くと、1.0650付近を再び試すリスクが高まる。

ユーロ/ドル テクニカルチャート

資料:TradingView

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英ポンド/米ドル 強気
データ提供:
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変動 ロング ショート 建玉
日次 -9% 6% 0%
週次 -31% 36% -2%
プライスアクションとの関連性
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英ポンド/ドル テクニカル分析

英ポンド/ドルは14日にも上昇し、200日単純移動平均線を超え、7月から10月にかけての下落のフィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準を突破した。この強気なブレイクアウトが今後数日の取引でも維持される場合、買い手は1.2591(フィボナッチ・リトレースメント50%の水準)を目指す可能性がある。

逆に、上昇の勢いが弱まり、センチメントが弱気に傾いた場合は、1.2460―1.2450エリアが最初のサポートとなる。強気見通しを確信するためには、このエリアを維持する必要があり、それができなければ、1.2320や1.2200を目指し後退するきっかけとなるかもしれない。

英ポンド/ドル テクニカルチャート

資料:TradingView

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ナスダック100 テクニカル分析

ナスダック100指数は、米CPIが予想を下回ったことをきっかけに米国債利回りが低下したことを受け、14日に2.2%超上昇した。トレーダーはすでにFRBがハト派に傾くことを織り込んでいるため、センチメントはポジティブなままとなり、株式相場の上昇に適した条件が整ってきた。

重要なテクニカル指標としては、7月の高値圏である16,067付近が最初のレジスタンスとなる。さらに上昇を続けると、焦点は昨年の最高値に移る。一方、弱気に転じた場合は、最初のサポートは15,720、その下には15,500、15,400が控えている。

ナスダック100 テクニカルチャート

資料:TradingView

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金価格 テクニカル分析

数日間軟調に推移していた金先物相場は、14日に強気の反転を見せ、1,940―1,950ドルの収束サポートから反発した。この上昇の勢いを維持した場合、最初のレジスタンスは1,975ドル/1,980ドルとなる。このレジスタンスを上抜けると、2,010ドル/2,015ドルに向けて上昇する可能性がある。

逆に、売り手が相場の主導権を取り戻した場合は、主なサポートは1,950―1,940ドルになる。リトレースメント中、金相場はこのレンジで底固めするかもしれないが、ここを割り込むと1,920ドル、次いで1,900ドルに向かって下降する可能性が出てくる。

金価格チャート(先物取引)

資料:TradingView

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