株式マーケットの心理学は、トレード中に生じる感情や行動を見極め、対処する能力のことです。株式マーケットは、企業の業績に対しての期待を示す先行指標である一方、個人や集団レベルの心理的な側面によっても左右される傾向があります。
考慮される3つの要素は以下のとおりです。
- 投資家の心理状況
- マーケットセンチメント
- 恐怖や欲望などの感情
本記事では、株式マーケットにおける トレードの心理学の重要性を説明し、これにどう対処するかについて、知識とヒントを提供していきます。初心者のための株式トレードガイドは株式マーケットの入門書です。あわせてご覧ください。

株式トレードにおける心理の重要性
株式マーケットにおける心理は重要であるにも関わらず、実際は軽視されがちです。したがって、心理的要因を見極めて対処することができれば、トレーダーにとって非常に有益なものとなります。個人レベルの非合理的な投資判断では、恐怖、欲望、取り残される恐怖 (トレードにおけるFOMO)などの感情がその要因となる場合が多くあります。それが群集心理ともなると、さらなる感情を引き起こし、恐怖によるトレードにつながる可能性が大きくなることで、マーケットへの大きなインパクトの一因となります。
新型コロナウイルスのパンデミックで経験したことは、この一例と言えるでしょう。パニックが大きくなると、その後株式マーケットのボラティリティが高まることが多くなります。通常はボラティリティが高まると、恐怖やFOMOといった感情が生じます。これらのネガティブな感情は、ポジティブな感情よりボラティリティに強く影響を与えます。恐怖心が高まると、トレーダーは損失がふくれあがるのを避けるために慌ててトレードを解消しようとするため、「パニック売り」が発生するのです。
ボラティリティの適切な指標としてマーケットセンチメントがあります。これは投資家がある時点でマーケットをどのように認識しているかを測るためのツールです。トレーダーが「マーケットは弱気である」と見ている場合は、買い手よりも売り手の方が多くなっている状態なので、ネガティブな群集心理となるのです。
株式についての群集心理を見極めるためには、株価指数を使用することが最も明確な方法です。株価指数とは、特定の国やマーケットにおける株式銘柄群の株価の動きを追跡している指数です。 主要株価指数は、異なる資産のリターンを比較したり、指数全体のパフォーマンスを通じて経済全体を見極めたりするために使用されます。
個人レベル、集団レベルの心理を理解したら、それにしたがって感情をコントロールすることが重要です。一定の感情は受け入れるべきではあるものの、一般的にはトレード心理に対するネガティブな影響は、ポジティブな心理よりも投資判断に大きく影響を与えます。
恐怖や欲望などの感情はトレーダーの衝動的な行動につながり、悪影響を及ぼす可能性があります。恐怖心にもとづくトレードの例としては、トレーダーがポジションを早々に手仕舞いしてしまうことが挙げられます。また、恐怖が欲望に変わることの例として、損失が確定することを恐れて、マイナスが生じているポジションを長期間保有することなどがあります。
株式マーケットの心理を利用するためには、トレーダーはポジティブな心理的要因を受け入れ、ネガティブな側面をうまくコントロールする必要があります。



株式トレードで心理をコントロールする5つの方法
1.トレードプランを策定する
トレードプランは、トレードのプロセスでの指針として使用されます。プランはトレードの開始前に満たすべき条件、どのマーケットでトレードをおこなうか、そしていつトレードを終了するかなどをまとめた一連のルールです。プランを立てる目的は、トレーダーがそのトレードについて根拠を持つことであり、プランにしたがうように徹底することにあります。
2.チェックリストを作成する
トレードプランを作成することは重要ですが、トレードが不利な方向に向くとトレードプランを遵守することが難しくなります。簡単なチェックリストを用意しておくことで、トレーダーはプランに記載されているルールをトレードの過程で確実に適用することができます。
3.日記をつける
トレーダーとして、自分の進歩を評価し、改善点を見つけることが求められます。何がうまくいって何がうまくいかなかったのかを評価するために、すべてのトレードを記録し、日記をつけることは非常に有効な手法です。時折日記を見返すことで、トレードプランや戦略について修正すべき欠点を発見することもできます。
4.現実的な期待と自信を持つ
自信を持つことは、戦略を実証できていない段階では特に難しいものです。自信のあるトレーダーは、計算されたリスクを取ることができ、その結果を受け入れることができます。自信は不可欠なものです。自信に満ちたトレーダーは、自分自身のトレードの心理を自覚しており、その心理的な要因に対処するためのプロセスを確立しています。トレードの心理を学びつつトレードに対する自信を築くための一つの方法としては、デモ口座でのトレードがあげられます。デモ口座では、現実的な期待値を設定し、実際のお金を扱うようにトレードをおこないます。
5.リスク管理の実践
トレーダーにとってリスク管理を無視することはできません。リスク・リターン比率を決定し、ストップロスを使ってトレードし、妥当なポジションサイズで売買することは、優れたリスク管理戦略に不可欠な要素です。



心理と株式マーケットに関してよくある質問(FAQ)
トレードの心理学は、株式マーケットにしかあてはまらないのでしょうか?
トレードの心理学は、あらゆる金融マーケットや金融商品においてもあてはまります。売買している金融商品に関わらず、感情は常に影響を及ぼします。だからこそ、感情に左右されずに自分の目標に集中し続けるための対策を講じることが重要なのです。
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