
投資心理:FXの基礎をおさえた後に知るべきこと
投資心理は軽視されがちですが、プロのトレーダーは、テクニックの一つとして重要視しています。DailyFXでは感情のコントロール方法や、取引に必要なマインドを作るための最適なコンテンツをご用意しています。DailyFXのアナリスト達は、数多くの試練を乗りこえてきた精鋭ぞろいです。きっとあなたの取引に大きな変化をもたらすことでしょう。
本記事は下記の内容で構成されています。各アナリストのアドバイスをぜひ参考にしてください。
- 投資心理とは
- 基本的な感情のコントロール
- 成功するトレーダーと同じ心理になるには
- 感情をコントロールするためのツールとテクニック



FXにおける投資心理とは
投資心理とは、一般的なトレーダーが取引の際に経験するあらゆる感情や気持ちを含めた広義の言葉です。感情は取引においてあなたの判断を助けることがあり、前向きに受け入れるべきものもあります。しかしその一方で、恐怖や欲、緊張や不安といったネガティブな要素をおさえていく必要があります。取引の時に抱く心理は複雑で、完全にコントロールできるようになるまでには時間と経験を要するでしょう。
多くのトレーダーは、プラスの心理よりもマイナスの心理を抱いた経験を持っています。損失を恐れて含み損を出している取引を早々に決済してしまったり、損失が現実になることへの恐怖が欲に変わって、負けているポジションのサイズを倍に増やしてしまったりすることがあります。
さらに、金融市場で誰もが抱く最も危険な感情の一つが、取り残されることへの恐れ、“FOMO”と呼ばれるものです。放物線状に上昇する相場では、ピークに達した後にトレーダーの買いを誘うため、市場が反転して反対方向に動くと、それが大きな精神的ストレスとなります。
理想的なトレーダーになるには、人の心理の良い面を利用し、悪い面をコントロールしながら市場の変動に対応することが必要です。
FXにおける基本的な感情のコントロール
感情をコントロールすること
恐怖、欲、興奮、過信、緊張といった感情は、いずれもトレーダーが一度は経験するものです。 取引の時の感情をコントロールすることが、資産を増やすか負け組になるかの分かれ目になるでしょう。
FOMO
FOMOは自分の心理状態を考えながら、抑える必要がある感情です。簡単なことではありませんが、トレーダーは常に次の取引があると考えて、損失を許容できる金額でのみ取引をおこなうべきです。

取引の失敗を防ぐために
経験の有無にかかわらず、トレーダーは誰でも失敗するものです。しかし、失敗の背景にあるロジックを理解することで、取引の障害が雪だるま式に増えていくことを防ぐことができます。よくある取引の失敗には、多数の市場での取引やポジションサイズに一貫性がない、過剰なレバレッジなどが挙げられます。
欲をおさえる
欲はトレーダーが最も抱く感情の一つであり、特に注意が必要です。欲によって論理的な考えが失われると、トレーダーは負けた取引に倍の金額を投資したり、過去の損失を取り戻すために過剰なレバレッジをかけたりしがちです。実行することは難しいですが、取引で欲をコントロールする方法を知ることはトレーダーにとって重要です。
一貫性のある取引の重要性
取引を始めたばかりの初心者は、どの市場にもチャンスがあると思い、様々な市場で取引をすることがあります。しかし、個々の市場の本質的な違いについて深く考慮しないことが多いのが実情です。少数の市場にフォーカスすることに加えて考え抜かれた戦略がなければ、安定した結果を得ることができません。一貫性のある取引方法を学びましょう。
「自分の感情ではなく、戦略にもとづいて取引しなさい」 -ピーター・ハンクス(ジュニアアナリスト)




取引の神話をくつがえす
人は聞いた話に影響されることがよくありますが、これは取引でも同じことが言えます。取引にまつわるうわさ話は、「成功するには大量の資金が必要だ」、「利益を得るためにはほぼ全ての取引で勝たなければならない」など、さまざまです。これらの 取引にまつわる神話は、しばしば精神的な障壁となり取引のさまたげになります。
リスク管理の実施
効果的なリスク管理の重要性については、いくら強調してもし過ぎることはありません。リスク管理が心理に与える好影響は無限大です。利益確定とストップロスの価格を事前に定めておくことで、トレーダーは目標を達成するにはどれだけのリスクがあるかを把握できるため、心の安定を得られます。さらにポジションサイジングによる心理的効果は、リスク管理における大きなメリットになるでしょう。
「トレードにおける感情的な影響を減らす最も簡単な方法の一つは、ポジションサイズを小さくすることだ」 - ジェームズ・スタンレー(DFX為替ストラテジスト)

FXで成功するトレーダーと同じ心理になるための方法
プロのトレーダーが成功するためには様々な要素がありますが、トレーダーのレベルに関わらず取引戦略において一貫して実行できる共通の手法がいくつかあります。
1)毎日、ポジティブな姿勢で市場に臨むこと 当たり前のことに思われがちですが、取引の際に前向きな姿勢を維持することは、損失が続いた後などは特に難しいものです。ポジティブな姿勢を保つことで、新たな取引をするさまたげになりがちなネガティブな考えを排除してくれます。
2)自分のエゴを捨てること 取引は失敗することもあれば、負けが多い状況もあるということを認めましょう。これは一見良くない考えのように思えるかもしれませんが、規律と慎重さをもってリスク管理をおこないリスク・リターン比率を高めていくことで、口座の純資産を増やすことができるのです。
3)取引のための取引はしない 結局は市場次第なのです。15回取引をする日もあれば、2週間の中で1回も取引をおこなわない時もあるでしょう。全ての取引は、市場で何が起こっているか、自分の戦略に沿った取引条件が市場に現れるかどうかにかかっています。
「取引するか否かは、ロングとショートの二択で決定されるものではない。何もしないことが最高の取引になることもある」 - イリヤ・スピバック(シニア為替ストラテジスト)

4)落胆しないこと 1つ目のポイントと似ていますが、こちらは「やめたい」という気持ちに関することです。取引を一攫千金と考えている人は多いのですが、実際には何度も取引を積み重ねていくものなのです。即効性のある成果を期待すると、不満や焦りを感じることが多いものです。自分を律することを忘れず決めた道を歩み、取引を長い旅のようにとらえることが大切です。


