NY天然ガスは5営業日ぶりに反落も、5月に入り急騰。一方、連動する傾向のある原油価格は下落。天然ガスの躍進は続くのか。また、OPECプラス会合を6月1日に控える原油価格の行方は。原油・天然ガス価格の今後の見通しとは。
【原油価格のターゲット】
上値：80ドル
下値：77.61ドル
【天然ガス価格のターゲット】
上値：3.000ドル
下値：9日移動平均線（現在2.507ドル）
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天然ガスの追い上げ
NY天然ガス価格が急上昇している。5営業日ぶりに反落したものの、5月に入り35％近く上昇している。WTI原油価格が3％強下落しているのと対照的である。
資料：BloombergよりDailyFXが作成。
天然ガスと原油は、用途が重なっている部分があることなどから、価格が連動する傾向がある。しかしながら、2023年以降、天然ガスの潤沢な在庫状況などを背景に、原油と天然ガス価格のパフォーマンスに乖離が生じている。
5月に入り、天然ガス価格が急上昇しているものの、原油価格との乖離は依然として大きい。原油価格との値動きの関係性の観点では、天然ガス価格が一段と上昇する余地がある。
WTI原油とＮＹ天然ガス価格
資料：TradingView
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WTI原油価格の見通し
WTI原油価格（1バレル）は、200日移動平均線近辺、かつ80ドルがレジスタンスとして機能している。また、20日移動平均線が200日移動平均線を下抜け、原油価格に弱気の「デッドクロス」が成立している。
テクニカル面で弱気シグナルが点灯している。しかしながら、6月1日にOPECプラス会合を控え、6月末とされている減産延長を巡る思惑や、イラン大統領の死去などを背景に不透明感が一段と高まっている中東情勢の動向により、原油価格が上下双方に動く展開を想定したい。
原油価格が下落した局面では、フィボナッチリトレースメント61.8％水準77.61ドルでサポートされるかに注目。5月に入りサポートとして機能しており、引き続きサポートされた場合、原油価格の下値が堅いとの見方を投資家に印象付ける可能性がある。
一方、原油価格が上昇した局面では、80ドルへの上昇が視野に入る。この水準を上方ブレイクすることに成功した場合、原油価格が上昇トレンドへ転換する可能性が高まる。
【原油価格のターゲット】
上値：80ドル
下値：77.61ドル
WTI原油価格日足チャート
資料：TradingView
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ＮＹ天然ガス価格見通し
NY天然ガス価格は、9日移動平均線が200日移動平均線を上抜け、強気の「ゴールデンクロス」が成立した。一方、天然ガス価格は、1月以来はじめて2.7ドル台に上昇した後、反落している。また、「陰のはらみ線」があらわれており、上昇に陰りが見られる。
原油価格と比べて依然として安値圏で推移していることは、天然ガス価格に一段の上昇余地があることを示唆している。しかしながら、テクニカル面で強弱入り混じるシグナルが点灯していることから、天然ガス価格が上下双方に動く展開を想定したい。
天然ガス価格が下落した局面では、9日移動平均線（現在2.507ドル）への下落が視野に入る。この水準でサポートされた場合、天然ガスの地合いが強いことを投資家に印象付けよう。一方、天然ガス価格が上昇した局面では、１月以来の3.0ドルへ上昇する可能性がある。
【天然ガス価格のターゲット】
上値：3.000ドル
下値：9日移動平均線（現在2.507ドル）
天然ガス価格（NG1）日足チャート
資料：TradingView
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著
