※2023年3月9日10時40 分更新
天然ガス、移動平均線 - テクニカル面のアップデート
- 今週の天然ガス価格は、週の下げ幅として1月下旬以来最大となる気配
- 日足チャートでは、20日単純移動平均線を再び試す展開となっている
- 4時間足チャートでは、弱気パターンである上昇ウェッジのブレイクアウトに引き続き注目
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日足チャート - 20日SMAを試す値動き
天然ガス価格は今週これまでのところ、15%超下落しており、週の下げ幅としては1月末以来最大となりそうだ。RSI(相対力指数)で下降の勢いが弱まっていることを示す強気のダイバージェンスが続き、価格は2月末にかけて上昇した。
しかし、天然ガス価格は20日単純移動平均線(SMA)を上回ったものの、50日SMAからはまだ離れており、試す展開には至っていない。大きな視点で見ると、昨年12月以降、続いているこの2つのSMA間のデッドクロスが引き続き注目される。デッドクロスとは、中期線が長期戦を上から下に突き抜ける現象のことで、価格の上昇が止まり下降に入る過程で示現すると言われている。また、昨年8月からの下降トレンドラインも引き続き、上値を抑えている。現在、価格は20日SMAを再び試す展開となっている。
20日SMAを下方ブレイクした場合、2月の安値2.52を試し、その後は2020年の安値1.44に向かい下落する可能性がある。一方、上昇局面では、当面のレジスタンスは50日SMAとなり、その上にはフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準3.297が控えている。
資料:TradingView
4時間足チャート - 100期間SMAに注目
4時間足チャートを見ると、天然ガス相場の短期的な方向性がより明確に見えてくる。価格は弱気なチャートパターンである上昇ウェッジの下方ブレイクが確認されており、以前の下落トレンド復活の可能性が出てきた。価格は現在、次の重要なテクニカル水準である100期間SMAに直面している。この100期間SMAは、フィボナッチ・リトレースメントの中間点である2.498と同様に、重要なサポートとして維持されている。
100期間SMAの下方ブレイクが確認されると、下げ幅を拡大する可能性があり、61.8%の水準2.373、78.6%の水準2.195が順に意識されるだろう。そのすぐ下には、2月の安値も控えている。一方、上昇に転じた場合は、38.2%の水準2.622が当面のレジスタンスとなり、その後は23.6%の水準2.777のポイントが視野に入ってくる。



資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。