上昇ウェッジは人気のある反転パターンで、予想にもとづきトレーダーへ次の値動きの方向と距離について手がかりを与えてくれます。
上昇ウェッジは金融マーケットで頻繁に発生し、その見極めと利用法のシンプルさがトレーダーを惹きつけています。本稿では、FXのチャート上で上昇ウェッジを見つける方法とそのトレード方法について説明します。
上昇ウェッジのトレード方法の学習: 主なポイント
- 上昇ウェッジとは?
- FXのチャート上で上昇ウェッジパターンを見つける方法:下抜けに注目
- 上昇ウェッジの下抜けを使用してFXでトレードする手法
- 上降ウェッジの利点と欠点
インタラクティブなFXパターンについてのクイズに挑戦してみてください!
上昇ウェッジとは?
FXの上昇ウェッジ(アセンディングウェッジとも呼ばれる)パターンは、極めて有用な調整局面(保ち合い、もみ合い期間)の価格パターンで、2本の上昇するトレンドラインの間で価格が行き来する際に形成されます。これは弱気のチャートパターンと考えられていますが、その位置とトレンドバイアスにより、反転を示唆する場合と継続を示唆する場合の両方があります。上昇ウェッジが出現した場所に関わらず、このパターンは本質的に弱気であるという点を覚えておきましょう。

下降ウェッジパターン
下降(ディセンディング)ウェッジは、三角形の傾斜により、上昇ウェッジと区別することができます。下降ウェッジは、次第に幅が狭まり最後には頂点に達する2本の下方向に傾斜するトレンドラインで形成される強気のパターンとされます(下図参照)。

FXのチャート上で上昇ウェッジパターンを見つける方法:下抜けに注目
上昇ウェッジは弱気の継続と、弱気の反転の両方に解釈されるため、パターンの見極めにあたって混乱が生じることがあります。それぞれのシナリオに、異なる一連の動きが観察され、これを考慮に入れる必要があります。
コンティニュエーションパターン
- 確立した下降トレンド
- 上昇ウェッジの調整局面(保ち合い、もみ合い期間)の形成
- 高値切り上げと安値切り上げをそれぞれ線で結び、頂点に向って幅が狭まっていく上昇するトレンドラインを描きます
- 出来高表示機能を使用して価格と出来高の間のダイバージェンス(乖離)を確認します。 MACDを利用しても良いでしょう
- オシレーターなどの他のテクニカルツールを使用して買われ過ぎのシグナルを確認することができます
- サポートラインの下方へのブレイクアウトを待ち、ショートでトレードをエントリーします
反転パターン:
- 確立した上昇トレンド
- 上昇ウェッジの調整局面(保ち合い、もみ合い期間)の形成
- 高値切り上げと安値切り上げをそれぞれ線で結び、頂点に向って幅が狭まっていく上昇するトレンドラインを描きます
- 出来高表示機能を使用して価格と出来高の間のダイバージェンス(乖離)を確認します。MACDを利用しても良いでしょう
- オシレーターなどの他のテクニカルツールを使用して買われ過ぎのシグナルを確認することができます
- サポートラインの下方へのブレイクアウトを待ち、ショートでトレードをエントリーします
上昇ウェッジの下抜けを使用してFXでトレードする手法
前述のとおり、上昇ウェッジのFXのパターンは、コンティニュエーション(継続)パターンと反転パターンの両方に関係しています。下の例では、FXの通貨ペアのチャート上でコンティニュエーションを示す上昇ウェッジの形成を示しています。
EUR/USDの上昇ウェッジのチャートパターン:

上のチャートは強い下降トレンド後の上昇ウェッジの「コンティニュエーション」パターンを示しています。青の点線で示された上昇ウェッジは、上昇トレンドの強気派の力が弱まっていく様子を示しています。上昇トレンドが弱まっていることの確認は、チャート上の出来高表示ツールを使用して判断することができます。相場の価格の上昇と一致する形で出来高が減少しています。これをダイバージェンス(乖離)と呼び、上昇トレンドに終わりがきていることを示しています。
エントリーポイント(マークされた場所)は、上昇ウェッジのサポートラインとなっているトレンドラインがブレイクアウトされた場所です。エントリーには2つの一般的な方法があります。
- サポートラインとなっているトレンドラインよりも下方でローソク足が終値を付けるまで待ってからショートポジションをエントリーする。
- 価格がサポートラインを下方にブレイクアウトしたらすぐに、ローソク足の終値にかかわらずショートポジションをエントリーする。
チャートで示したように、ストップ価格は、レジスタンスラインとして機能しているトレンドライン上にある上昇ウェッジの高値に置きます。この方法なら、初心者のトレーダーでも比較的簡単にストップ価格を見つけることができます。この例のリミットは、以前の安値としており、このトレードのリスク・リワード比率を大きくプラスにしています。
上降ウェッジの利点と欠点
利点 | 欠点 |
---|---|
経験のあるトレーダーならば見極めが容易である | 初心者トレーダーにはわかりにくい場合がある |
金融マーケットで頻繁に発生する | 間違えて認識する場合が多い |
明確なストップ、エントリー、リミットの価格を提示する | 他のテクニカル指標とオシレーターを使用して追加の確認をおこなう必要がある |
有利なリスク・リワード比率の機会 | 反転または継続を示唆するパターン |
FXでのトレードパターンに関するおすすめの記事
- トレードを始めたばかりの方は、無料のFX初心者向けガイドをお役立ててください
- DailyFXでは、IGグループの10万以上のアカウントを調査し、成功するトレーダーの秘訣を突き止めました。成功するトレーダーの特長ガイドにまとめています
- ライブウェビナー(英語)では、DailyFX専門家がさまざまなマーケットについてトレード戦略やヒント、ニュース、予測を紹介しています