※2023年3月15日17時11分更新
金、銀、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによるアップデート
- SVBの破綻を受け、金・銀価格は上昇している
- 個人トレーダーは、売り持ちを増やすことで対応している
- これは、金・銀価格のさらなる上昇を示す兆候だろうか？
先週明らかになった米シリコンバレー銀行の経営破綻を受け、米国債利回りは低下し、金と銀の価格は急上昇している。個人トレーダーは金/ドルと銀/ドルの売り持ちを増やすことで、これに対応した。個人トレーダーの動きは、IGクライアントセンチメント（IGCS）で確認できる。IGCSは逆張りの指標として機能する傾向がある。個人トレーダーが今後も売り持ちを増やし続ければ、金と銀の価格はさらに上昇するかもしれない。
金相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約60％がネットロング（金を買い持ち）にしている。半数を超えるトレーダーがネットロングであるため、金価格は下がり続けることが示唆されている。しかし、ネットショートのポジションは昨日と先週に比べ、それぞれ7.85%、92%増加している。このように、現在のセンチメント（ポジション状況）および最近の変化（日次、週次でのポジションの変化）を考慮すると、相場はまもなく上昇トレンドに転換する可能性が出てきている。
金/ドル （XAU/USD）日足チャート
資料：Trading View
日足チャートを見ると、金先物相場は20日単純移動平均線（SMA）だけでなく、50日SMAの上方ブレイクも確認できる。これにより、金相場の見通しはますます中立に近づいている。今後数日間のうちに、強気のチャートパターンと言われるゴールデンクロスが形成されるかもしれない。当面のレジスタンスは、小型のフィボナッチ・リトレースメント14.6%の水準1,909と思われる。この水準を上方ブレイクすると、2月の高値1,959.74が意識されることになる。一方、1,804を下回ると、弱気な見通しが復活する可能性がある。
銀相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、銀を取引する個人トレーダーの約88％がネットロング（銀を買い持ち）にしている。ほとんどのトレーダーがネットロングであるため、銀価格は引き続き下落する可能性がある。しかし、ネットショートのポジションは昨日と先週に比べ、それぞれ2.71%、62.14%増えている。このように、現在のセンチメント（ポジション状況）および最近の変化（日次、週次でのポジションの変化）を考慮すると、相場はまもなく上昇トレンドに転換する可能性が開かれている。
銀/ドル（XAG/USD）日足チャート
資料：Trading View
金価格とは異なり、銀価格は20日SMAの上方ブレイクを確認したのみで、50日SMAを下回る水準にとどまっている。この50日SMAと同様に、当面のレジスタンスとなるもう一つの重要なポイントは、フィボナッチ・リトレースメント38.2%の水準21.92である。この2つのレジスタンスポイントの上方ブレイクが確認できると、短期的な見通しはますます強気に傾き、1月の高値が意識されるようになるだろう。一方、下降トレンドの再開には、3月上旬の安値を下回ることが必要となる。
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
