円、ドル/円、日本の外貨準備高、日銀、中国、テクニカル分析見通し - トーキングポイント
- アジア太平洋地域の市場は、7日の米国株高もあり、先週から続伸の動きとなりそう
- 日本の外貨準備高は先月、財務省を通じて円買い介入に約430億ドルを使用
- ドル/円は、10月高値を下回る水準となり、下降型のトライアングル内で推移している
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アジア太平洋地域の市場見通し:2022年11月8日
7日の米国株高とドル安が、きょう8日のアジア太平洋地域の相場を押し上げるかもしれない。7日のダウ工業株30種平均は前週末比1.31%、高ベータ値銘柄が多いナスダック100指数は同1.11%それぞれ上昇した。株価はこれまで、米国の中間選挙における投票後の数カ月間に上昇を記録していることから、市場には楽観的なムードが広がっている。特に下院では共和党が議席を増やすと見られている。
中国の政府当局が、世界レベルで見て非常に厳しいとされるコロナ政策を緩和するのではといううわさを一蹴したため、中国と同国でのコロナ感染者の増加は、市場にとって逆風となる可能性がある。ロックダウン(都市封鎖)の影響は、昨日発表された中国の10月貿易収支に表れ、輸出入は共に予想外の減少となった。6日のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は前週末比0.89%安となった。
今朝発表されたオーストラリアの11月ウエストパック消費者信頼感指数は78と、10月の83.7から低下した。オーストラリア準備銀行(中央銀行)は金融引き締めペースを減速したものの、住宅ローン金利の低下には至っておらず、クレジットカードなどの負債も高止まりしているため、消費者の懐を圧迫している。
財務省によると、10月の日本の外貨準備高は1兆1,900億ドルと、9月の1兆2,400億ドルから減少した。これらの外貨準備は流動性の低いものもあるが、うち約10%は外国の銀行に保有されているため、容易に為替介入に利用が可能だ。これらの外貨準備は、9,850億ドルから9,410億ドルに減少している。
最後に為替介入が実施されたのは、ドル/円が150円の大台に乗った10月21日だったが、その後は円高が続いている。円の弱気派は今のところ傍観しているが、日銀が超低金利政策を維持する状況下、ドルが再び強くなれば円高は長続きしないかもしれない。しかし、日本は差し当たって、円安を防衛するための十分な手段があると言える。
円相場のテクニカル分析見通し
ドル/円は、ディセンディングトライアングル(下降型のトライアングル)パターンの内側で取引されており、テクニカルな見通しは弱気と見ている。このパターンでは、100日単純移動平均線(SMA)付近をターゲットとした動きが予想される。ブレイクアウトを確認するにはサポートを割り込む必要があり、レジスタンスを上回った場合は、このパターンは無効となる。
ドル/円 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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