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日本株:週間パフォーマンスと今後の見通し

日本株:週間パフォーマンスと今後の見通し

木全哲也, ストラテジスト

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このページの内容

※2023年3月30日13時25分更新。

日本株、日経平均株価、東証株価指数、米国債利回り-トーキングポイント

  • 日本株は週間で上昇も金融不安に対する警戒感が見られた
  • 米国金利との関係が高まる中、ファンダメンタルズ面からは日本株の上昇見込めず
  • しかしながら、テクニカル面を勘案し、日本株に対して短期的に強気
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推薦者: 木全哲也
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週間で上昇も金融セクターは軟調

東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表され、コアCPIは前月を下回ったものの、市場予想を上回る前年比3.2%となった。同時に発表された失業率は前月より上昇、有効求人倍率は低下となり、雇用市場の悪化が示された。東京都区部CPIは全国CPIと高い相関があり、日本のインフレ圧力が高止まりしていることを示唆している。4月には日銀新体制に移行する。植田日銀新総裁は、副作用に配慮しつつも金融緩和の継続スタンスを示しているが、本日のインフレ指標は日本のインフレ圧力が根強いことを示した。インフレ圧力に加え、イールドカーブコントール政策(YCC)の副作用軽減を目的に、現状10年としているYCC目標の年限の短期化や0%±0.5%としている10年国債利回りの許容幅の拡大といった修正を早晩実施する可能性があろう。日本の国債利回りも低下している現状、イールドカーブコントール政策の修正による影響は、0.5%に10年国債利回りが張り付いていた状況と比べ限定的と思われる。

31日8時30分発表の日本経済指標

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資料:DailyFX.com 経済指標カレンダー

日本株(東証株価指数及び日経平均株価)は週間(30日木曜日基準。先週木曜日比)で上昇したものの、セクター別では、保険などの金融セクターは下落した。金融セクターの下落は、金融不安が根強いことや日本国債利回りが低下しているように、日銀の金融政策修正観測が後退していることが背景にあろう。「日本株今後の見通し:為替・金利との関係に変化」にて日経平均は米国債利回りとの関係が高まっていることを示したが、今後の日本株の見通しは?

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資料:BloombergよりDailyFx.comが作成

日本株見通し

日経平均と米国債利回りの関係が高まっているが、背景に米国債利回りの動向に影響を受けやすいグロース株が最近の日本株の動向に強い影響を持っていることが挙げられる。利回り低下時にはグロース株は上昇、逆に利回り上昇時にはグロース株は下落する傾向がある。東証株価指数(TOPIX)、TOPIXグロース株、TOPIXバリュー株、日経平均株価指数の3月月間のパフォーマンスは、グロース株と日経平均株価指数が概ね同じパフォーマンスとなっている。

日本株月間パフォーマンス

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資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。2月末を100として指数化。3月30日時点。

日経平均とバリュー株指数の日次リターンの関係(ローリング相関)が弱くなっている。下図は値が大きいほど日経平均との関係が強いことを示す。一方、日経平均とグロース株の強い関係が続いている(1に近いほど強い関係)。

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資料:Bloombergのデータを用いてDailyFX.comが作成。日経平均株価指数とTOPIXバリュー株指数の日次リターンに基づいたローリング相関(252日)。期間:2023年1月1日から2023年3月30日まで。値が大きく1に近いほど、日経平均株価と関係が強いことを示す。

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資料:Bloombergのデータを用いてDailyFX.comが作成。日経平均株価指数とTOPIXグロース指数の日次リターンに基づいたローリング相関(252日)。期間:2023年1月1日から2023年3月30日まで。値が大きく1に近いほど、日経平均株価と関係が強いことを示す。

日経平均株価に与えるバリュー株の影響は減衰しており、グロース株及びグロース株に強い影響を持つ米国債利回りの動向が重要である。米国債利回りは、欧米の金融不安を受け大きく金利が低下した。金融市場では、次回の会合で1回の利上げ(もしくは据え置き)後、年末にかけての利下げが見込まれている。しかしながら、米国のインフレ圧力が根強いことから、更なる利下げ織り込み、米国債利回りの低下余地は限定的と予想する。米国債利回りの低下が見込めない中、ファンダメンタルズ面からは、利回り低下の恩恵を受けるグロース株の上昇、更には日本株の上昇は見込みずらい。しかしながら、テクニカル面では、日経平均株価(先物)の週足チャートは中立を示す対称三角形(シンメトリカルトライアングル)を形成している。また、短期の4時間足チャートを確認すると、下落トレンドの継続を示唆する上昇ウェッジの上限ラインを上方ブレイクしており、下落トレンドの継続が危ぶまれる。RSI(相対力指数)は買われ過ぎを示唆する70を超えているものの、相場の地合いが強いことを示すMACD(移動平均収束拡散手法)ラインが上向きかつシグナルラインを上回っている。また、全ての移動平均線が上向いており、上昇トレンドであることを示している。ファンダメンタルズ面からは上昇が見込みづらいものの、テクニカル面を勘案し、短期的に日経平均に対して強気の見通しとする。上値として水平レジスタンスである28,300を上方ブレイクするかに注目。一方、RSIで弱気のダイバージェンスが発生した際には、ファンダメンタルズ面も勘案し、弱気へ見通しを転換する可能性が高まる。

日経平均株価先物週足チャート

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資料:Trading Viewより作成

日経平均株価先物4時間足チャート

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資料:Trading Viewより作成

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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著

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