豪ドル、AUD/USD、RBNZ、原油、センチメント、テクニカル分析 - トーキングポイント
- 豪ドルは、米ドルの上昇が一段落した中、小幅に反発した水準を維持する模様
- ニュージーランド準備銀行の政策金利と中国の貿易収支がきょう発表予定
- 豪ドル/米ドルは下降ウェッジパターンを形成しており、見通しは依然として弱気



豪ドルとニュージーランドドルは、米ドルの上昇の勢いが一服した中、ニューヨーク外国為替市場で小幅な反発となった。米国株の指標となるS&P500種株価指数は0.92%安で取引を終えた。原油価格は数カ月ぶりの安値付近まで下落した。米清涼飲料大手のペプシコが通期の売上高見通しを上方修正し、米国の企業決算シーズンは好調な滑り出しとなった。今週後半には複数の大手銀行が第2四半期決算を発表する予定だ。
米国債利回りは低下し、特にロングエンド(長期金利側)での低下が目立った。このため、2年物の利回りが10年物の利回りを上回る逆イールドのマイナス幅は拡大し、すでにくすぶっていた世界的な景気後退に対する懸念はさらに拡大した。米消費者物価指数(CPI)がきょう発表されるため様子見ムードが広がり、10年物米国債の入札は低調だった。アナリストは、6月の米国のインフレ率は前年同月比8.8%の伸びと予想している。5月は同8.6%上昇だった。



金価格は、米ドルの上昇が一服したにもかかわらず、約0.5%下落した。金相場の地合いの弱さは、名目利回りが低下し、物価連動債利回りが上昇したことを背景としたブレークイーブン・インフレ率の急落に起因しているようだ。銀価格も下落した。実質利回りの上昇は、原油価格にも下落圧力をかけたように見える。米国石油協会(API)が発表した7月8日までの1週間の米原油在庫は前週比480万バレル増加となり、事前予想を上回った。
中国の6月の貿易収支がきょう発表される。アナリストは、輸出額が前年同月比12.5%増、輸入額が同4.0%増と見ている。現在、中国の一部都市が再び都市封鎖されているが、中国当局によるコロナ対策強化への懸念は、貿易収支に関する数値が事前予想を上回れば、和らぐかもしれない。15日(金)には、第2四半期の国内総生産(GDP)の発表も控えている。
ニュージーランド準備銀行による政策金利の決定
ニュージーランドドルは、今週前半に数年ぶりの安値を付けた後、米ドルに対して小幅に上昇している。ニュージーランドドルはコモディティ価格の下落に足を引っ張られている。ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を50ベーシスポイント(bps)引き上げると見られている。
ニュージーランドは比較的強いインフレ圧力に直面している。しかし、需要の減退と企業景況感の悪化により、RBNZは今年後半に利上げの手綱を緩める可能性がある。今のところ、実質金利は大幅なマイナスとなっている。もしRBNZが現時点でタカ派的な姿勢を転換すれば、ニュージーランドドルは下落する可能性が高いだろう。
7月13日の注目イベント
- 韓国 – 韓国銀行(中央銀行)による政策金利決定
- ニュージーランド – ニュージーランド準備銀行(RBNZ)による政策金利決定
- 中国 - 貿易収支(6月)
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豪ドル/米ドル テクニカル分析
豪ドル/米ドルは、2021年10月を起点としたトレンドラインの下に位置する数年来の安値付近で取引されている。6月下旬以降は、上値と下値を切り下げながらもみ合う展開となる下降ウェッジパターンが形成されている。ウェッジのレジスタンス(上方ライン)を上回れば、上昇する可能性があるが、今のところは弱気のバイアスに傾いたままである。この数年来の安値を下回ると、下落が加速する可能性がある。
豪ドル/米ドル 4時間足チャート

資料:TradingView
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--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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