※2023年12月20日15時45分更新
株式投資家たちは、米連邦準備制度理事会（FRB）による来年の利下げを見込んで相場上昇に賭け続けている。休暇シーズン中、ずっと株式相場が上がり続ける「クリスマスメルトアップ」の展開が続くと見込む。
金利低下が予想される中、S&P500は史上最高値に迫る
IGのファイナンシャル・アナリストであるアンジェリン・オンは、米国の株価が最近上昇しているのは、今後金利が下がると予想されているためだと指摘した。また、ホリデーシーズン中に株価が上昇し続ける「クリスマスメルトアップ」と呼ばれる現象が継続する可能性があるとも述べた。
19日に米商務省が発表した11月の一戸建て住宅の着工件数は年率換算で前月比１８．０％増の１１４万３,０００戸と、大きく伸びた。11月の建築許可件数は146万件と、予想（147万件）とほぼ変わらず、住宅関連株にとっては若干の好材料となり、ダウ工業株30種平均株価を下支えた。19日のダウ平均株価は9営業日続伸し、5営業日連続で史上最高値を更新した。S&P500も0.59％高と続伸し、終値の最高値まで0.59％、取引時間中の史上最高値まで1.04％に迫った。
NYダウ 日足チャート
S&P500 日足チャート
UBS株、ボーイング株に上昇期待
個別株に目を向けると、UBS株の値動きを注視したい。アクティビスト（物言う株主）のセビアン・キャピタルは19日、スイスの銀行ＵＢＳグループに12億ユーロ（約1900億円）を出資したと発表した。クレディ・スイスの統合の効果が今後3－5年にＵＢＳのバリュエーションを高め、株価は2倍に回復すると考えている。セビアンはＵＢＳ株の約1.3％を保有しており、ＵＢＳの株主トップ10に入るという。
米アップルが法的問題を理由にスマートウォッチの販売を中止すると発表し、株価は軟調だが、それほど大きな影響は今のところ、見られない。Apple Watchの「シリーズ９」と「ウルトラ２」はオンラインストアでは12月21日から、実店舗ではクリスマスイブの24日から販売が停止される。
また、ボーイングは19日、ルフトハンザ・ドイツ航空（DLH/LH）を中核とするルフトハンザ・グループから737-8（737 MAX 8）を40機確定受注したと発表した。同時に、エアバスの小型機A220-300型機も40機受注しており、今回発注した80機のカタログ価格は総額90億ドルとなる。この好材料を受け、ボーイング株は上昇する可能性がある。
