豪ドル、AUD/USD、新型コロナ、原油、食品価格、豪州中銀の政策金利 - トーキングポイント
6日（水）のアジア太平洋地域の相場見通し
ニューヨーク市場では不安定な動きが目立つ中、安全資産に買いが集まった。米国株は急落して始まったが、債券利回りの低下で株価バリュエーションに対する圧力が弱まり、取引終了にかけて上昇した。長期金利の指標となる10年物米国債の利回りは5月以来の低水準に低下した。インフレがピークに達した可能性があるとの見方が利上げ観測を後退させ、投資家は債券に対して強気に転じている。
原油価格は景気後退懸念が強まり、急落した。原油相場のトレーダーは、通常は旅行者数が過去最高に近い水準に達する米国の祝祭日を背景に、エネルギー需要がピークに達した可能性に賭けている。ドル高もエネルギー価格には逆風となった。さらに、週明けに中国の上海で新型コロナウイルス感染症のクラスター（集団感染）が発生したことを受け、新たに大規模な検査が開始された。感染者が増え続ければ規制が強化されるとの見方もあり、本日のアジア市場では市場心理に影響を及ぶ可能性がある。とはいえ、豪ドルの対米ドルでの下落は続く可能性がある。
乳価の下落が続く中、ニュージーランドドルは逆風にさらされている。牛乳はニュージーランド経済にとって主要な輸出品であり、そのためニュージーランドドルは乳価の大きな変動に脆弱な体質を持つ。乳製品の国際価格の指標の一つであるニュージーランドのGDT価格指数は、2週間前の1.3％低下に続き、今朝は4.1％の低下を記録した。乳製品の動きは、より幅広い食品の商品市場で見られた動きと呼応しており、穀物相場は夜間にさらに下落した。トウモロコシと小麦の先物は、ニューヨーク市場の夜間取引で5％近く下落した。
政策金利決定後によく起こることだが、本日はオーストラリア準備銀行（RBA）の政策金利の発表があり、それが相場に混乱をきたす可能性がある。発表内容は、RBAの最近の金融政策の決定と今後の方向性を分析するのに役立つだろうが、市場のリスク動向を読むには不十分であろう。中国のロックダウン（都市閉鎖）に関するニュースが、市場にとって最も高いリスクとなりそうだ。
7月6日の注目イベント
- 香港：S&PグローバルによるPMI（6月）
- オーストラリア：RBAの政策決定会合
- 台湾：インフレ率（6月)
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豪ドル/米ドル テクニカル分析
豪ドル/米ドルは、主要なトレンドラインに接近しており、これを割り込んでくれば、2020年初頭の水準まで下げ幅を拡大する可能性がある。強気派はトレンドラインのサポート維持を期待し、下降している20日単純移動平均（SMA）がレジスタンスとして機能しそうである。MACD（マックディー）とRSIは、それぞれの中間値を下回っており、下降トレンドにある。
豪ドル/米ドル 日足チャート
資料：TradingView
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--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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