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ゴールド投資の戦略
- ゴールドのトレードは、スプレッドベッティングのプラットフォームを使えば、FXのトレードとよく似ている
- ゴールドのトレード戦略には、ファンダメンタルズ分析、センチメント分析、テクニカル分析をミックスすることができる
- 上級者のゴールドトレーダーは、ゴールドの価格が米ドル建てであることを認識しており、ゴールドの分析においてその動向を考慮する
ゴールド投資のメリットと主なトレード戦略とは?
かつて、ゴールドのトレードは、金属そのものを売買しなければならず、難しいものだった。その後、先物やオプションが登場し、トレーダーは実際に金庫に金塊やコイン、宝石を詰め込むことなく、ポジションを取ることができるようになった。ゴールドの上場投資信託(ETF)によって、ゴールドのトレードを株式のトレードと同じようにおこなうことができるようになり、さらに簡単になった。
現在では、ゴールドのトレードはFXとほとんど変わらない。
個人投資家がスプレッドベッティングのプラットフォームを利用する場合、ゴールドの価格が上昇するか下落するかを考えて単純に売買することができる。
ゴールドのトレードは、原資産が銀行口座の数字ではなく、現物であることだけでも魅力的だと思う人もいるだろう。ゴールドのトレードには、需要と供給に影響を与えるファンダメンタルズの研究、ゴールドのトレーダーが現在保有しているポジションの研究、テクニカル分析、ゴールドのチャートの研究など、様々な戦略がある。
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ゴールド投資とFX
ゴールドは、通貨のように政府や中央銀行の意向に左右されないことから、以前から価値の貯蔵品と見なされてきた。ゴールドの価格は、財政政策や金融政策の影響を直接受けることはなく、常に何らかの価値を持ち続けることができる。つまり、通貨のようにハイパーインフレ等でタダ同然になってしまうことはないのである。
また、ゴールドは、日本円、スイスフラン、米国財務省が発行する債券や社債などの資産とともに、トレーダーが「安全な避難場所」として利用することができる。つまり、トレーダーがリスク動向を懸念すると、安全資産を買う傾向がある。一方、トレーダーはリスク選好が高まると、一般的に安全資産を売却し、代わりに株式や金利の高い通貨を選ぶ傾向がある。そのため、ゴールドはインフレに対する重要なヘッジであり、貴重な資産である。
ただし、スイスフランや日本円は他の様々な通貨とトレードできるが、ゴールドはほとんどの場合、米ドルとトレードされる。したがって、ゴールドのトレードは、米ドルの動きを考慮する必要があるのだ。例えば、米ドルの価値が上がれば、その分、ゴールドの価格が下がる可能性がある。ゴールドのマーケットデータのページでは、米ドルとゴールドの重要な水準について常に最新情報を提供している。
ゴールドのトレード方法を学ぶ際に考慮すべきもう一つの要素は、マーケットの流動性である。ワールド・ゴールド・カウンシルの推定によると、ゴールドの1日の平均取引量は、EURUSD、USDJPY、GBPUSD以外のどの通貨ペアよりも多くなっている。そのため、例えばEURJPYの1日の取引量よりも多く、スプレッド(買値と売値の差)が狭く、比較的安価にトレードすることができるのだ。
最後に、ゴールドの取引時間はほぼ1日24時間であることが挙げられる。ゴールドの取引所はほぼ常時営業しており、ロンドン、チューリッヒ、ニューヨーク、シドニー、そして香港、上海、東京とシームレスに移り、再びヨーロッパにバトンタッチされる。このため、流動性は24時間高いが、FXと同様、ニューヨーク時間の終了後は比較的静かで、取引量も少なくなるため、不安定な値動きになる可能性がある。



テクニカル分析を使ったゴールド投資
テクニカル分析を使うトレーダーは、ゴールドのチャートの市況が長年にわたって変化してきたことに気づくだろう。ゴールドの価格は、2005年から2015年まで大きなトレンドがあった。2015年以降、ゴールドの価格は1,000ドルから1,400ドルの間を行き来する、一定のレンジでトレードされている。DailyFXの学習コースでは、テクニカル的なゴールドのトレード戦略をマーケットの状況に合わせることについて語っている。マーケットにトレンドが発生している場合は、モメンタム戦略を使用する。もし、ゴールドのチャートがレンジ相場であれば、低ボラティリティまたはレンジ戦略を使用する。これは、ゴールドのトレード戦略の重要な要素である。
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ゴールドのチャート、月足(2004年6月~2018年6月)

テクニカル分析を使いたい人は、過去の高値・安値、トレンドライン、チャートパターンから始めるのが最もシンプルな方法だ。ゴールドの価格が上昇しているときは、現在の水準を上回る重要な過去の高値が明らかにターゲットとなり、価格が下落しているときは、重要な過去の安値がターゲットとなる。
また、上昇トレンドの場合、過去の高値を結んだ線は、現在の水準を上回っていればレジスタンスラインとなり、過去の安値を結んだ線はサポートラインとなる。チャートのパターンとしては、通貨ペアのトレードと同様に、ヘッドアンドショルダーやダブルボトムなどのパターンがある。
より高度なテクニカル分析を使うトレーダーは、エリオット波動、フィボナッチ・リトレースメント、モメンタム指標、その他のテクニックを使って、将来の動きを判断することができる。
ゴールド投資の初心者と上級者のためのトレードのヒント
ファンダメンタルズ分析に戻ると、初心者が特に考慮すべき点は、マーケットのセンチメントがポジティブなのかネガティブなのか、ということだ。前者であれば、ゴールドの価格は下落し、後者であれば上昇する可能性が高い。したがって、これはゴールドをトレードする際に使用する最もシンプルな戦略だ。
しかし、より上級者のトレーダーにとっては、ドルがどうなるかということも考慮する必要がある。近年、ドルも安全資産とみなされるようになり、ドル建てのゴールドの価格が比較的安定しているのもそのためである。したがって、例えば地政学的な状況が悪化すると考えた場合、ゴールドを買うと同時に、一例を挙げるとオーストラリアドルを対米ドルで売ることを考えるかもしれない。
上級者のトレーダーは、ゴールドジュエリーの需要にも目を配ろうとするだろう。特にインドや中国では、ゴールドジュエリーは今でも重要な長期投資対象として見られており、産業界でも利用されている。また、中央銀行によるゴールドの売買も重要で、これらはすべて価格を変動させる要因となっている。
供給に関しては、上級者のトレーダーはバリック・ゴールドやニューモント・マイニングといった主要生産企業の生産量に注目したいところだ。
もちろん、FXのトレードルールはすべてゴールドのトレードにも適用される。個人投資家は、レバレッジをかけすぎないように注意し、何かあったときのために、リスク管理、ターゲットの設定、損切りなどを考えておく必要がある。
ここで、ゴールド投資の主要なヒントを以下にまとめる。
- マーケットが「リスクオン」モードなのか「リスクオフ」モードなのかを考える。
- ゴールドの価格だけでなく、米ドルのパフォーマンスにも注目してみる。
- ファンダメンタルズ分析、センチメント分析、テクニカル分析をミックスして考える。
- 中央銀行の買いや売りに注意する。
- ゴールドジュエリーの需要を考える。
- ゴールドの工業用需要を見る。
- そして、供給量を考慮する。
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