トレードにおける相場観によって、トレードの際に情報にもとづいた判断ができるようになります。これは、初心者にも経験豊富なトレーダーにも当てはまります。
本記事では、次の内容について説明します。
- トレードにおける相場観とは
- トレーダーに相場観が必要な理由
- テクニカル指標を用いた相場観の作り方



FXのトレードにおける相場観とは
トレードにおける相場観とは、ある結果になる確率が他の可能性に比べて高いと考える、金融マーケットにおける性質や考え方のことです。
これらのトレードにおける相場観は、マーケットの動きを説明し、特定の見通しをサポートするテクニカルまたはファンダメンタルズの要素で決定されます。これは多くの場合、マーケットにおける強気や弱気のトレンドに関連しており、適切なトレード戦略やスタイルの手がかりになります。
FXのトレーダーに相場観が必要な理由
相場観は、自分のトレード戦略に沿った判断をするために必要なものです。最終的には、実際に資金を投資している時に正しい判断をすることが目標です。個々のトレードにおける判断は非常に多く、圧倒されてしまいミスをしてしまうこともよくあります。
たとえば、トレードをするマーケット、エントリーポイントやエグジットポイント、トレード期間、ポジションサイズといった決定を下していく必要があるのです。他にも、ストップロスを動かすのか、部分的に利益を確定してポジションサイズを小さくするのかなどの様々な判断が求められます(他にも多くの選択肢がありますが、要点のみ説明しています)。
トレードの世界では、初心者は利益と損失の可能性の中で悩みがちです。初心者には、トレードの条件に強い感情を抱くほどの経験がありません。つまり、ポジティブな結果を「コントロール」する自信と能力がなく、優柔不断な状況の中で決断できなくなってしまうのです。その結果、最近のデモトレードの結果など、別のことに感情を不適切に結び付けてしまうのです。
初心者トレーダーは、自身の認識を深めるため結果だけに焦点を絞ってしまう傾向があります。これによる問題点は、たとえ一部のトレードで利益を得たとしても、長期的には高リスクである可能性がとても高いということです。
トレードにおける相場観を決める際に、トレーダーが必要とする要素には主に次のようなものがあります。
- マーケットの選定
- トレード方針
- エントリーポイント
- エグジットポイント
- ポジションサイズ
マーケットの選定
初心者は、最初どのマーケットでトレードするかの判断に戸惑う人が多いのです。人気のあるマーケットに惹かれがちですが、そこには適切なトレードのチャンスは見つからないでしょう。DailyFXでは、センチメント分析ツールを提供しています。このツールは、ロングまたはショートの個人投資家比率を算出することができるので、適切なマーケットを選択するのに役立ちます。



マーケットを選定する方法は他にもあります。トレーダーの多くは、特定のトレード戦略(トレンドに乗るなど)を活用して適切なマーケットを見極めています。また、政治ニュースやマクロ経済的な事象などのファンダメンタルズ分析を活用して、トレードをするマーケットの選定をするトレーダーもいます。
トレード方針
トレード方針は、通常マーケットのトレンドに合わせます。また、トレンドはトレード戦略に関係してきます。さらに、トレーダーがトレードの対象にする時間軸に応じて、短期または長期のトレンドをインジケーターで表示させましょう。
エントリーポイントとエグジットポイント
マーケットでのトレードには、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析が活用されます。これらを単独で使用、あるいは組み合わることで売買のポイントを決定できます。このエントリーポイントとエグジットポイントは、一般的にインジケーター(移動平均線)などのテクニカル指標や値動きを利用したブレイクアウト戦略によって決定します。
ポジションサイズ
どのようなプランでも決める必要があるのがポジションサイズです。初心者トレーダーはこの点を見落としがちで、その結果として合理的ではないトレードをすることが多いのです。ポジションサイズは、口座の規模や残高に応じて考慮する必要があります。DailyFXでは、すべてのオープンポジションに対して5%以上のリスクを負わないようなポジションサイズを設定することをおすすめしています。
テクニカル指標を用いた相場観の設定方法
移動平均線などのテクニカル指標から得られる情報は、トレードにおける相場観を設定するのに役立ちます。
移動平均線
移動平均線は、相場観を決定するために使用できるもう一つのツールです。通常、トレーダーは 200期間単純移動平均線(MA)を使用します。これは、あらゆるチャートに当てはめて、価格が移動平均線の上か下かを確認することができる指標です。価格が移動平均線を上回っていれば、トレンドが上昇しているという相場観を持って、買いの機会を探すことができます。逆に、価格が移動平均線を下回っていれば、トレンドが下降していると判断をして、売りの相場観を持つことができるのです。
以下のチャート1は、GBP/USDで移動平均線を活用したトレードの相場観を示しています。200期間MAが追加されており、価格は指標を大きく下回ってトレードされています。短期のデイトレーダーはこの情報を元にして、売りポジションを探すための相場観を形成することができるのです。この相場観は、価格が高値に向かって反発して移動平均線を上抜けるまで維持されます。2つ目のチャートはその反対で、MAの上でトレードされているケースです。
弱気の相場観:

強気の相場観:




値動き:
相場観を見極める第一の方法は、値動きです。チャートでスイングの高値や安値を確認することで、価格がおおむね上昇しているか下降しているかを確認することができます。価格が上昇しており、安値も切りあがっている場合、買いの相場観を形成する必要があります。価格が下落している(安値、高値が切り下がっている)場合、売りに特定の相場観を持つ必要があります。チャートで200~300期間をレビューすることにより、この手法はほぼすべてのトレード戦略に活用することができます。
EUR/USDの値動きにおける相場観:

上のチャートはEUR/USDの4時間足のチャートです。このチャートで、約2ヶ月分のデータを振り返って分析してみます。4時間足のローソク足が約300本表示されます。価格がゆっくりと下落し、選択した期間で安値を更新していることに注目してください。これは、市場が下降トレンドにあることを示しており、売りの相場観を形成することができます。