MACDヒストグラムのポイント:
- 遅行指標としてのMACDとMACDヒストグラム
- MACDヒストグラムとは?: ヒストグラムは何を示しているか?
- MACDヒストグラムから強気と弱気のバイアスを見極めるトレード手法
遅行指標としてのMACDとMACDヒストグラム
MACDは指数平滑移動平均線(EMA)を使用してトレンドの強さを測り、またクロスにもとづきエントリーポイントを見極める指標です。
MACDは、そのエントリーシグナルが最初の値動きの始まった後で出されるため、最初の値動きを取り逃してしまうとよく批判されます。早くトレードをエントリーしたいと望むトレーダーはMACDを「遅行」指標であるとして採用しないことがあります。
遅行指標とは、過去の価格データを使用して指標自体のアクションを生成するテクニカル指標です。すべての指標は、すでにおこなわれたトレードのデータと、現在発生しつつあることを計算に入れるため、遅行します。
MACDの場合、もっとも広く使用されるエントリーシグナルは、MACDがトレンドの方向にシグナルとクロスする時のエントリーシグナルです。これらの2つのラインは単なる2つの移動平均線であり、その性質上、動き自体が始まるまではクロスは発生しません。この方法で提示されるエントリーは、動きがその方向に継続するであろうことについてより確信が得られるため、それを好むトレーダーもいますが、MACDヒストグラムはより早めのエントリーシグナルを提供します。



MACDヒストグラムとは?: ヒストグラムは何を示しているか?
MACDの背景にあるヒストグラム、つまり「バーチャート」(下の図を参照)は、MACDとシグナルの間の差異を示しています。MACDがシグナルより上の場合、ヒストグラムは正となります。MACDがシグナルより下の場合、ヒストグラムは負となります。バーの高さはMACDとシグナルの差を示しています。
MACDヒストグラム:

それ以上の確認はせずに、とにかく早いエントリーを求める積極的なトレーダーは、あまり一般的でないこのMACDヒストグラムのバーが提示するエントリーシグナルを好む場合があります。これは、ヒストグラムのバーは、MACDとシグナルのどちらよりも速い設定(9)となっているためで、よりタイムリーなトリガーとなります。下のMACDクロスオーバーとMACDヒストグラムを参照してください。
MACDのクロスとMACDヒストグラムの比較:

MACDヒストグラムから強気と弱気のバイアスを見極めるトレード手法
分析の1つめのポイントは、MACDヒストグラムが0ラインから離れていることの確認(正または負の両方)です。つまりバーが長い部分をチェックします。実際のシグナルは、ヒストグラムの長さがそれ以上伸びず、より短いバーとなる部分で出されます。ヒストグラムがそれまでより短いバーを出したら、ヒストグラムが短くなっている方向へのエントリーを検討します。
左側の(青)買いを示唆するシグナルは、5本続けて伸びていくバーの後に6本目のバーが短くなっているところで出されています。その2本後のバーで、MACDはシグナルを上抜け、従来型のMACDのエントリーシグナルを出しています。この遅いシグナルは、上昇する動きのほとんどを逃してしまっていますが、ヒストグラムのシグナルはこれをとらえています。
右側の(黄)売りを示唆するシグナルも同様です。連続して伸びる14本のバーの後の15本目バーはそれまでより短くなっています。この売りのトレードは、MACDとシグナルのクロスより数本分早くおこなうことができます。
EUR/USDのMACDヒストグラムの売りと買いシグナル:




テクニカル指標に関するおすすめの記事
- FXトレーダーのためのテクニカル指標を読んで基礎知識を固めましょう。
- 最初のテクニカル指標としてのプライスアクションについて学習しましょう。
- テクニカルトレーダーはさまざまなスタイルとFXのトレード戦略を持ちます。よく検討し自分にあった分析方法を見つけてください。
- トレードを始めたばかりの方は、FX初心者向けガイドをお役立てください。