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【正解率87%】S&P500の動向で米大統領選の勝敗を予測する方法

【正解率87%】S&P500の動向で米大統領選の勝敗を予測する方法

DailyFX, Research

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このページの内容

S&P500の動向と米国大統領選挙の結果には関係性がある

政策や歴史だけでなく、S&P500指数を分析することは大統領選の勝敗を予測するために役立つことが過去のデータからわかる。S&P500指数は選挙の結果を予測することに関して、87%の成功率を誇るほどだ。過去のデータによると、選挙3ヶ月前の株価が年初より高ければ、現職政党が勝利する可能性が高くなることが明らかになっている。

株式のパフォーマンスは、各大統領の分析で取り上げられる重要なポイントである。だが、新型コロナウイルス感染症の影響を考慮すると、S&P500は信頼できる指標として今も利用できるのだろうか。あるいは、これまで正しいと言われてきた指標が適用されない前例のない時代を生きているのだろうか、それともパンデミックによって過去の問題が明らかになったのだろうか。

これらの疑問に答えるためには、過去の大統領選挙を振り返り、各現職者が受け継いだ要素、それらへの対応策、そして将来の選挙に与えた影響を分析する必要がある。以下のセクションでは、各大統領が在職中に直面した状況、その状況への対処、そしてどのように変化したのかを分析している。この分析はS&P500の変動とともに、2020年の米国大統領選挙を予測するために役立つだろう。

  • 危機的状況に見舞われたブッシュ大統領
  • 変革を求める米国社会で当選したオバマ大統領
  • トランプ大統領の波乱に満ちた権力掌握
  • トランプ氏とバイデン氏は現場の危機にどのように対処するのか

危機的状況に見舞われたブッシュ大統領とS&P500の動向

2001年に米国大統領に就任したジョージ・W・ブッシュ氏は、崩壊寸前の経済を引き継いだ。株式マーケットはドットコムバブルで揺れ動き、2001年9月11日の同時多発テロは米国のみならず、世界全体を変える戦争の引き金となった。

是正すべき政策と発生した問題:減税と戦争

ジョージ・W・ブッシュ大統領は2000年代初頭の株式マーケットの崩壊に対応するため、2つの重要な財政措置を実施した。

  • 2001年経済成長及び減税調整法(EGTRRA)
  • 2003年雇用及び成長減税調整法(JGTRRA)

この2つの政策により、全面的な減税が実施された。しかし、上位1%が年間5%の実質的な減税を受けていることから、高所得世帯に対する支援が中心であったと一部のアナリストは指摘している。

ジョージ・W・ブッシュ大統領は減税と同時に、アフガニスタンとイラクでの戦争も指揮していた。2001年9月11日の同時多発テロ後、アフガニスタンへの侵攻を許可し、その2年後にはイラクへの二度目の軍事攻撃を許可した。これにより、2001年から2008年にかけて軍事費が3,000億ドルから6,000億ドルに倍増した。この増加は米国経済、さらにS&P500に影響を与えたが、想定していたほど大きなものではなかった。

NBER(全米経済研究所)のリー氏たちが指摘しているように、米国マーケットは「戦争が起きる確率の変化に対して極めて敏感」である可能性が高い。同時多発テロ後、S&P500は1日で4.9%の下落を記録した。さらに、サダム・フセイン氏を追放する確率が10%上昇したことにより、S&P500は0.5%下落したと指摘している。

そのため、政治的な変化が指数に長期的な影響を与える可能性は、あまりにも少なく一時的なものであると考えられる。戦争の脅威はマーケットにある程度の影響を与えるが、ジョージ・W・ブッシュ大統領の軍事行動と上記のS&P500の変化との間に明白な関連性があることを示しているわけではない。したがって、純粋に経済的な観点からみると、戦争はジョージ・W・ブッシュ大統領に対する国民の支持率の低下に寄与していない可能性がある。

ジョージ・W・ブッシュ政権の統括:何を学ぶべきか

ジョージ・W・ブッシュ大統領は、景気拡大を1回、景気後退を2回指揮しており、米国債務の対GDP(国内総生産)比は68%に達した。これは投資家にとっては、投機的な運命の転換であった。ジョージ・W・ブッシュ大統領が退任したときの株式マーケットは苦境におちいっており、その後もS&P500のリターンは-40%に低下していた。

ジョージ・W・ブッシュ氏が大統領になった要因を振り返ると、経済は重要な要素だろう。米国の有権者は主要産業であるインターネットが崩壊しつつあった時代の困難から抜け出す方法として、ジョージ・W・ブッシュ氏の政策を支持していた。同時多発テロに対する対応は許容されたものの、経済的、社会的には理想的ではなかった可能性がある。全体的にみて、経済的な要因はジョージ・W・ブッシュ大統領が2期にわたって政権を維持するのに十分であった。ただし、任期が終わるころには、有権者は変化を求めていた。

社会が変化を求める中で当選したオバマ氏とS&P500の動向

ジョージ・W・ブッシュ大統領が脆弱な経済を引き継いだように、バラク・オバマ大統領は2009年に金融危機に見舞われている。グレート・リセッションは2年前から続いていたが、オバマ氏は「Change We Can Believe In(信じる道に針路を変えよう)」というシンプルなメッセージを掲げて選挙戦に臨んだ。ジョージ・W・ブッシュ大統領とは対照的な存在であり、米国史上初の黒人大統領になることを目指していた。

是正すべき政策と発生した問題:変革の時期

オバマ大統領就任までの期間は、政治的・社会的に変革の時期としてとらえられることが多い。オバマ氏が大統領に就任することで、海外の戦争に終止符が打たれるわけではないが、希望はあった。米国はジョージ・W・ブッシュ大統領の政権下で、二度の不況と二度の戦争により苦しんでおり、有権者はオバマ氏に抜本的な変化を期待していた。

経済が世論に影響を与えたジョージ・W・ブッシュ時代とは異なり、オバマ氏とマケイン氏の政治闘争は社会的欲求を際立たせており、最近の選挙戦では最も注目された候補者として評価されている。2008年10月のギャラップ社の世論調査では、オバマ氏の支持率は61%、マケイン氏は57%と差がついている。これは米国の有権者が新たな方向性を提示できる大統領を切望していたことを示唆している。2016年の大統領選挙線に向けて、ドナルド・トランプ氏の支持率が45.5%であったのと対照的だ。

上記にもとづくと、ジョージ・W・ブッシュの選挙戦では、経済状態と米国経済が重要な要素であったと考えられる。ただし、オバマ大統領の就任時期には、世論は安定を求めるように変化していた。そして、トランプ氏が当選すると、米国の有権者は再び経済に目を向けるようになった。

消費者信頼感、雇用、オバマ政権による株式マーケットの成長

オバマ大統領の評価や政治スタイルは重要だったが、経済は無視できず、米国労働統計局によると、失業者数は2007年12月の5%未満から1年後には7.2%に増加した。またオバマ大統領就任の初期には、失業率が上昇した。

しかし、米国の有権者が投票に参加するわずか数週間前の2012年10月までに、失業率は8%低下した。NBC Newsが実施した世論調査によると、この失業率の上昇を断ち切る変化は、オバマ大統領の経済政策で危機を脱していると有権者が受け止めたことで生じた。その結果、支持率は15%上昇し、42%の国民が対抗馬のミット・ロムニー氏よりも現職の方が経済を改善させるだろうと考えていた。

オバマ政権の統括:何を学ぶべきか

2期のオバマ政権から学べることは、経済と社会的要因の相互作用である。1期目に当選したとき、オバマ氏は世論の変化を象徴しており、厳しい経済状況だけで政策を決定しない人物であった。ただし、2期目を迎えたとき、経済はより大きな問題となった。国民は雇用を必要としており、オバマ氏はそれを実現する人物として考えられていた。

このことは、今日の世界と深い類似性がある。社会的要因によって、トランプ氏は2期目を獲得できないかもしれないが、雇用問題により再選を実現させるかもしれない。トランプ氏のアメリカ・ファースト戦略は、2020年第1四半期に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが発生するまで経済成長をもたらした。現在、米国の失業保険申請件数は記録的な水準(2020年9月には週83万件以上)に達しており、有権者は2009年のオバマ大統領と同様に、雇用危機を救える候補者を支持する可能性がある。

トランプ氏による支配への台頭とS&P500の動向

前任者とは異なり、トランプ氏は不況を引き継いだわけではないが、中国からの脅威にさらされた経済に足を踏み入れた。過去の貿易協定とブッシュ政権下での中国のWTO(世界貿易機関)への加盟は、米国だけが超大国ではなくなったことを意味した。

トランプ氏は自国に企業を呼び戻すことによって、米国の支配を再主張することを選挙運動の基本に据えた。「アメリカ合衆国を再び偉大な国に」をスローガンに掲げた。経済は堅調だったが、外国人投資家、つまり中国が米国の輸出入と国債を大きく支配していることに多くの米国人は不満を抱いていた。

2011年、中国は1兆3,000億ドルの米国債を保有していた。さらに、中国は世界の輸出の15%を占めていた。トランプ氏は中国の支配を経済の問題ととらえて、主戦場の1つとして考えた。ヒラリー・クリントン氏には、この問題は解決できないが、自分には解決できると予想していた。これらは、さまざまな面で選挙に大きな影響を与えた要因であった。

トランプ政権の統括:何を学ぶべきか

当選したトランプ氏は、企業の活性化と中国の影響力を抑制することを目標に掲げた。国内では特に、企業向けの減税を実施した。2017年、トランプ大統領は法人税を35%から20%に引き下げ、相続税を撤廃することを目指した。また、連邦個人所得税の税率構造を7から3段階(12%、25%、35%)に減らした。最終的に、個人の所得に関する事業所得には、25%が課税された。

米国企業に注力していた頃、トランプ大統領は中国への攻撃も開始した。貿易戦争の背景には「アメリカ・ファースト」を掲げており、中国を含む他国に奪われた製造業の雇用を取り戻すことが優先事項だった。貿易赤字を減らし、米国を超大国として再興することは、中国経済の成長と常に対立していた。

トランプ大統領の政策により、2020年初頭の失業率は4%を下回り、経済成長はオバマ大統領の在任中にみられた水準と同程度だった。さらに、S&P500は2019年後半に50%以上のリターンを上げていた。しかし、2020年3月に新型コロナウイルス感染症の発生により、事態は急激に悪化した。

トランプ氏とバイデン氏は現在の危機にどのように対処するのだろうか

2020年の大統領候補は、世界的なパンデミックに対応しなければならないだろう。2020年の新型コロナウイルス感染症発生以前、トランプ大統領は米国経済とS&P500に好影響を与えており、2020年2月までのリターンは48%であった。その後、43%に落ち込んだものの、トランプ氏の在任期間は投資家にとって、オバマ氏よりは劣るものの、ジョージ・W・ブッシュ氏よりはプラスの影響を与えていた。

しかし、2020年の大規模なロックダウンにより、3年間続いた経済成長は終わりを迎えた。新型コロナウイルス感染症により、全米で検疫措置が取られ、企業は破産申請し、数百万人が職を失った。これは、今後のトランプ氏対オバマ氏の株式マーケット論争に打撃を与える可能性がある。しかし、大統領選の次の勝者がS&P500のチャートだけでなく、社会・経済問題も懸念しなければならないことはより重要である。

新型コロナウイルスは生活のあらゆる分野に打撃を与えた

3月21日から5月28日までに、4,000万人が失業保険を申請した。トランプ大統領は、「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障(CARES)法」と呼ばれる2兆ドル規模の景気刺激策に署名し、対処している。2020年8月までに、実質GDPはトランプ氏が大統領に就任したときより4%低下したが、株価指数が54%上昇した。新型コロナウイルス感染症が発生した際にS&P500は34%下落したにもかかわらず、その後回復し、過去最高値を更新した。

この回復は、大部分がテクノロジー・セクターによるものである。エネルギーと金融は、2020年にそれぞれ37%と20%下落した。対照的に、S&Pのテクノロジー・セクターは25%上昇している。この上昇は、ロックダウン中のAmazonとAppleの業績に支えられている。ハイテク企業の躍進とトランプ大統領の景気刺激策により、米国経済の回復が可能となった。危機はまだ終わっていないが、2020年8月には137万人の雇用が増加し、失業率は7月の10.2%から8.4%に回復した。

米国の大統領選は複雑な方程式である

これまでの米国の大統領選には、社会と経済が大きく関わっている。ジョージ・W・ブッシュ政権は、経済問題が主な特徴だった。他の大統領より支持率は低かったが、有権者を惹きつける何かがあった。ジョージ・W・ブッシュ氏は財政問題を解決できなかったかもしれないが、米国が財政問題から脱却しつつあるという実感があった。有権者は社会問題に目を向けるようになり、オバマ氏はその中で「変化」を体現していた。

オバマ氏が退くと、再び経済が問題になった。トランプ氏は経済に着目し、オバマ氏と同様に変革の大統領と言える。しかし、トランプ大統領の変化には、経済を強化するための積極的な政策が含まれていた。それが有権者に支持されたのである。今、再び変化を求めるタイミングなのだろうか。有権者は経済と社会、どちらの安定を求めるのだろうか。大きな争点があるため、これは重要な問題である。有権者が抱いている問題意識によって、次期大統領が決まる可能性も考えられる。

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