米ドル、メキシコペソ、米国とメキシコの貿易関係、中心国-周辺国モデルの理解 – ポイント



米国とメキシコの関係がFXで米ドル/メキシコペソに与える影響の予想法
米国とメキシコは地理的に近く、密接な経済関係にあります。現在は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)によって置き換えられている北米自由貿易協定(NAFTA)のような国際地域貿易協定はそのつながりを強化しています。しかし、中心国(米国)と周辺国(メキシコ)の間における経済発展の格差は、非対称的な関係性を生んでいます。
米国は世界最大の経済大国で圧倒的に内需主導型の経済であるため、メキシコのような輸出主導型の経済と比べると、グローバルな景気変動の波に対する脆弱性が低くなります。さらに、メキシコの成長軌道はその大部分を米国からの堅調な需要を前提としています。実際、米国はメキシコの対外売上のおよそ86%を占めています。
メキシコの対米貿易は他の貿易相手国との総貿易額をはるかに凌ぐ(2018年)

このため、米国の経済見通しが楽観的で、その結果メキシコからの物品への需要が上昇する場合、貿易量の増加が見込まれ、中心国から周辺国への資本の流入につながります。これに、好調な経済を背景に大きなリターンを期待できるメキシコペソ建て資産を求める投資家からの資金が加わります。
この環境では通常、USD/MXNの為替レートは低下します。この動きは、投資家の間の高いリスク選好度によって拡大します。これらの投資家はもし経済的に不安定な状態ならば、景気循環に感応度の高い資産を保有することを望まなかった可能性があります。
一般的に経済成長に混乱が見られると、資本の流れは反転します。その結果、USD/MXNの為替レートは上昇し、投資家は周辺国(メキシコ)におけるリスクの高い資産を処分し、その資本を比較的安全な中心国(米国)という船に避難させます。マーケットの混乱の中でも高い流動性がボラティリティの上昇を鈍らせます。
もし成長阻害要因が米国にある場合であっても、トレーダーはメキシコ国債やメキシコペソよりも米国債や米ドルを好みます。つまり、資本はそれでも周辺国から中心国へ引き寄せられます。



FXにおける米ドル/メキシコペソのトレード方法のまとめ:メキシコペソの動きを予想する
- 景気予測が右肩上がりでリスク選好度が高い時、資本は中心国(米国)から周辺国(メキシコ)へさかんに流入します。
- 中心国における経済活動が混乱すると、この動きは反転し、周辺国における成長軌道は痛手を受けます。
- 世界最大の経済大国の影響力とその地理的な近さのため、メキシコペソは米国の景気に強く影響されます。
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