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FXにおける中国とオーストラリアの関係:中国経済が豪ドルやニュージーランドドルに与える影響

FXにおける中国とオーストラリアの関係:中国経済が豪ドルやニュージーランドドルに与える影響

DailyFX, Research
原著者
DailyFXJapan, Research
翻訳者

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このページの内容

FXでは、オーストラリアの通貨、豪ドルは中国の影響を考慮すべきだと言われています。本記事では、FXにおける中国とオーストラリアの関係、そしてニュージーランドドルへの影響についても解説します。

FXでは中国経済は重要?中国経済がオーストラリアに与える影響 ~マクロ経済分析のチェックポイント

オーストラリアの通貨は「オーストラリアドル」「豪ドル(AUD)」「オージー」などと呼ばれていて、米ドルユーロと並んでよく取引されています。代表的な通貨ペアは豪ドル/円(AUD/JPY)豪ドル/米ドル(AUD/USD)豪ドル/NZドル(AUD/NZD)などです。

豪ドルをFXで取引する時には、中国とオーストラリアの貿易関係や経済状況をチェックすることが欠かせません。オーストラリアと中国は長年に渡る貿易友好国であり、オーストラリアの経済は中国への輸出量に大きく左右されています。マクロ経済の視点からオーストラリアと中国の関係を捉えていくことが、成功のコツです。

マクロ経済分析の視点からチェックしたいポイントは3つあります。

  • オーストラリアと中国の貿易関係
  • 中国の経済成長や世界市場の見通し
  • 豪ドルが中国との貿易に大きく左右される仕組みをマクロ経済的に理解しておく(経済主要国と周辺国としての関係)
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なお、ここでいうマクロ経済分析とは、世界経済を米国・欧州・中国などの主要国を中心に、周辺国との関わりから経済状況を分析していく手法です。Core-Perimeter Trading Model (コアペリメーター取引モデル)とも呼ばれています。

豪ドルは数ある通貨ペアの中でも、世界市場が「リスクオン=強気の買い」モードにある時に好まれる通貨です。トレーダーや投資家が強気モードにある時は、お祭り騒ぎのごとく豪ドルに買いが集まり、勢いよく上昇する傾向にあります。

その時々の状況にもよるのですが、中でも「中国の経済成長の見通し」に対して、豪ドルは極めて敏感に反応するため、「中国の経済成長の見通し」が、特に重要だと言われています。

中国はGDPで米国の次に位置する経済大国で、アジア・オセアニアの経済活動の中心となる国です。その主要国である中国を取り巻く周辺の日本やオーストラリア、ニュージーランド、東南アジア、ロシアなどあらゆる国々が、中国の経済活況の影響を受けています。

つまり、中国の景気が活況であれば、派生的に周辺の国々にも資金が流入するという考え方です。とりわけオーストラリアは、輸出産業が国の経済を支えているため、中国経済の影響を受けやすい状況にあります。

オーストラリアが中国との貿易に左右される理由

オーストラリアがとくに中国経済の影響を受けやすい理由は単純です。それは、中国がオーストラリアの最大の輸出先であり、かつオーストラリアは輸出産業がGDPを占める割合が高いからです。

オーストラリアの貿易比率(対GDP)

グラフィカル ユーザー インターフェイス, グラフ, アプリケーション, 折れ線グラフ  自動的に生成された説明

出所:オーストラリア連邦議会

オーストラリアは天然資源に恵まれた国の1つで、素材・原料・製品・サービスと様々なものを他国に輸出しています。貿易収支は平均して黒字、輸出総額はGDPの約20~25%を占め、同国の経済に大きく寄与しています。言い換えると、オーストラリア経済は輸出への依存度が高いため、豪ドルの価格動向は輸出状況次第だとも言えるのです。

輸出品目は、鉄鉱石・石炭・天然ガス・穀物、アルミニウム,銅、原油などの資源系がメインです。他にも牛肉、小麦、教育関連、旅行、娯楽、専門職・金融などの製品やサービスも輸出しています。

そして、オーストラリアの輸出先として、25%~35%を占めているのが中国です。その大半が鉄鉱石と石炭になります。中国は世界有数のスチール生産者で、原料となる大量の鉄鉱石を必要としています。スチールはインフラ建設、太陽光や風力など再エネ設備機器・EVにも使われる素材であり、世界的な需要が期待されています。

世界のトップ・スチール生産国2023

グラフ  中程度の精度で自動的に生成された説明

出所:S&P Global

スチールの製造には大規模な発電設備が必要で、供給の安定性やコスト面からいまだに石炭火力発電の比重が大きいことが特徴です。中国は、オーストラリアの鉄鉱石と石炭を大量に輸入しているのです。

オーストラリア戦略政策研究所(ASPI, Australian Strategic Policy Institute)の統計によると、2021年度のピーク時には輸出全体の40%以上を中国が占めていました。近年では、概ね30%前後で推移しており、数年に渡って中国が2位の日本を大きく引き離して、トップを維持しています。

2022年度のオーストラリア輸出先(国別)

グラフ  自動的に生成された説明

Trading Economicsのデータを元に作成

中国の鉄鉱石や石炭の需要が高ければ、オーストラリアの輸出高が増加し、豪ドルは上昇します。一方では、中国の需要低下から、豪ドルの低迷が予想できるというように、中国経済の成長と、オーストラリア経済・豪ドルの上昇は密接な関係にあるわけです。

こうした背景から、中国の経済成長の見通しが明るい時は、鉄鋼業の需要も増加、巨大な経済パワーを有する中国から、貿易相手であるオーストラリアへの資本流入につながります。経済の中心である中国と周辺国としてのオーストラリアの経済が連動するという、マクロ経済の1つの仕組みを見ることができます。

中国がオーストラリアから輸入する規模は、$100billion(約140兆円)を超えることもあります。このような状況において、豪ドルは通貨バスケット単位(大量にまとまった数)で取引されるため、飛躍的に上昇に向かいやすくなるのです。オーストラリアにとって、中国経済の進展は、豪ドルの価値や自国経済を左右する重大要素です。

ニュージーランドも中国との貿易に影響を受けやすい

中国経済の影響を受けるのは、オーストラリアだけではありません。中国を取り巻く周辺の国々が、マクロ経済の仕組みにより何らかの影響を受けています。

オーストラリアと似たような状況にあるのが、ニュージーランドです。ニュージーランドは豊かな自然と広大な農地、天然資源の恩恵を受けて輸出産業を発展させている国です。通貨はニュージーランドドル(NZD)、キウイという愛称が有名です。

ミルク、バター、チーズなどの乳製品と、ラムやビーフなどの食肉、鉄鉱石や原油などの鉱物資源を中国に供給しています。

中国は、GDPで日本やドイツを追い抜き、比較的裕福な中流階級の割合が劇的に増えてきています。生活水準・消費購買力の向上とともに、高価な食品の需要が増加しています。中国経済の好調は、ニュージーランドの乳製品や食肉の輸出増加を意味するため、ニュージーランドの輸出業者の業績も伸びると言われています。

ニュージーランドの輸出先(国別)2022

グラフ, ウォーターフォール図  自動的に生成された説明

Trading Economicsのデータを元に作成

オーストラリアの輸出の増加が、資本流入を増やして豪ドルを上昇させるのと同じ原理にて、経済の中心となる中国から周辺国ニュージーランドへの資金が流入し、ニュージーランドドルを上昇させます。

中国の経済低迷から豪ドルやニュージーランドドルが急落する可能性

中国経済は、鉄鋼・化学・機械・石油などの工業と製造業が主産業です。工業や製造業は需要と供給のバランスに敏感な業種で、需要低下が見込まれると、関連する金融商品は急落する傾向にあります。

工業・製造業に関連する鉄鋼、鉱物・エネルギー関連の商品は、通常の商品よりもリスクが高いハイリスク商品と見なされています。

豪ドルやニュージーランドドルも、中国経済や世界景気に敏感に反応するハイリスク商品です。例えば、リーマンショックなどの金融ショックや経済恐慌、貿易戦争、あるいは2020年の新型コロナウィルス感染拡大といった局面では、総じて急落を見せています。

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ネガティブな状況下では、先が不透明であるためリスク回避の動きから、まず経済の中心である主要国の中国や、欧米などから資金が流出します。周辺国であるオーストラリアやニュージーランドなどは、主要国への依存度が高いため、マクロ経済の景気感染の速度も加速しがちです。

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経済の原動力を内需でまかなう国と比べて、相対的に豪ドルもニュージーランドドルも外的ショックに対し脆弱です。中心となる国(中国)の景気低迷から、周辺国(ニュージーランドとオーストラリア)の輸出の需要低下が見込まれる構図です。そうした流れを受けて、豪ドルもニュージーランドドルは原油や鉄鋼といったハイリスク商品と共に下落する可能性があるのです。

豪ドル・ニュージーランドドルのトレード方法のまとめ

  • マクロ経済分析で見ると、景気見通しが明るい時には、資本は主要国(中国)から周辺国(ニュージーランドやオーストラリア)経済へ流入しやすい。
  • しかし経済状態が悪化すると、この動きは反転し、資本は景気に敏感な周辺国から流出し、結果としてその国の資産(豪ドルおよびニュージーランドドル)を押し下げる。

オーストラリアとニュージーランドは、一般的に資源輸出国と見なされているため、世界経済の見通しが、両国の経済の方向性は見定めるための国内データと同様の重要性を持つと見れるでしょう。

また、留意しておきたいのが、中国経済が好調だとしても、双方の貿易関係が良好な状態にあるかどうかです。もし、政治や紛争と何らかの理由で輸入・輸出のバランスが崩れたとすれば、どんなに世界景気は右肩上がりであっても豪ドルやニュージーランドドルの低下につながる可能性があるため、注意が必要です。

さらに、忘れてはならないのは、自国内の様々な理由からも通貨の価値は影響を受けるということです。1つの要因だけでなく、様々な方面から相場が受ける影響を考慮していくことが大切です。

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