※2023年4月24日13時27分更新。
ビットコイン、金、米金利―トーキングポイント
- 米国金利が上昇する可能性
- ビットコイン価格の週足チャートは上昇、40,000ドルへの上昇を示唆
- 一方、弱気トレンドは衰えつつあるものの、ビットコイン1時間足や日足チャートは弱気を示唆しており、中立の見通し



FOMCに向けてビットコインに逆風?
ビットコインが金や銀といった価格の連動性が高まっており、有事の際の安全資産としての性質を備えつつある可能性を「ビットコイン価格見通し:ビットコインの貴金属化!?」で分析した。
ビットコイン価格は一時30,000ドル台を突破後、米国金利の上昇等を背景に反落、現在は27,000ドル台(370万円台)で推移している。「金価格見通し:ダイバージェンスが示現」の通り、短期的には5月FOMC(米連邦公開市場委員会)に向けて米国金利が上昇、金価格が下落する可能性がある。一方、FOMCに向けて年末の利下げ織り込みが剥落した後や景気減速懸念が高まった際には、金価格が再度上昇に転じる可能性がある。
金価格が上昇に転じた場合、連動性高まっているビットコイン価格も同様に上昇する可能性がある。ビットコイン価格は2021年夏ごろから相関が高まっており、2022年10月から金及びビットコインの価格は上昇してきた。
ビットコイン価格(BTC/USD)と金価格

資料:Trading View
ビットコイン:弱気シグナルは衰えつつあるがまだ中立
ビットコイン価格の1時間足チャートを確認すると、9、20、50、200期間指数移動平均線が下向き、かつ順に並ぶ弱気の「逆パーフェクトオーダー」パターンが成立していたが、9期間移動平均線が上向きに転じており、弱気トレンドが衰えつつあることを示唆している。ただし、20、50、200期間指数移動平均線は依然として下向きであり、トレンドが衰えつつあるものの、弱気を示唆している。
ビットコイン価格(BTC/USD)1時間足チャート

資料:Trading View
また、日足チャートを確認すると、RSI(相対力指数)は50割れ、MACD(移動平均収束拡散手法)もMACDラインがシグナルラインを下抜けており、弱気を示唆している。一方、MACDヒストグラムのマイナス幅が拡大しており、弱気トレンドが衰えつつあることを示唆している。
ビットコイン日足チャート

資料:Trading View
週足チャートを確認すると、下落トレンドの反転を示唆する逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)が成立している。しかしながら、1時間足及び日足チャートは衰えつつあるものの弱気を示唆していること、5月FOMCに向けて米国金利上昇のリスクがあることから、ビットコイン価格に対して中立の見通しとする。ただし、米国の利上げ織り込みが一段と進展した場合や、日足チャートにてMACDラインがシグナルラインを上抜け、強気を示唆した場合等は強気に転換する可能性が高まる。逆ヘッドアンドショルダーパターンからは40,000ドルへの上昇が示唆される。
ビットコイン週足チャート

資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著