米ドル、米ドル指数、FRB、春節、原油、金 - トーキングポイント
米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げ幅を縮小する可能性が濃厚となりつつある中、週明けの米ドルは下落している。アジア市場が薄商いとなっていることも、ドル安が進んだ原因かもしれない。
今週のAPAC(アジア太平洋地域)市場は、多くの地域で春節(旧正月)を祝うため、薄商いとなりそうだ。中国本土に加え、香港、ソウル、シンガポールも休場となり、オーストラリアも26日は休場となる。
きょう取引されていたアジアの株式相場は、ほとんどが上昇していた。香港のハンセン指数先物取引も1%超上昇した。
先週の米国株が堅調だった流れを引き継いだと思われる。いずれも米連邦公開市場委員会(FOMC)のメンバーであるエスター・ジョージ総裁(カンザスシティ地区連銀)、パトリック・ハーカー総裁(フィラデルフィア地区連銀)、クリストファー・ウォラーFRB理事の3氏は、今後、利上げを実施するうえで25ベーシスポイント(bp)が最も適切な措置であると指摘し、FRBのタカ派姿勢の緩和を示唆した。
「制限的」という言葉も多く聞かれた。次のFOMC会合は2月1日(水)に開催される予定だ。
FRB高官らのこのコメントは、株式などのリスク資産を押し上げ、米ドルを下押ししたようだ。
きょうこれまでで最も上昇した通貨は、オーストラリアドル、ユーロ、そして北欧圏のデンマーククローネ(DKK)、ノルウェークローネ(NOK)、スロバキアコルナ(SKK)だった。きょうはこの後、欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁の講演が予定されている。円は、G10(主要10カ国・地域)通貨の中で唯一、米ドルに対して弱含みとなっている。
米国債利回りは、ほぼすべてのイールドカーブで2-3bp上昇している。
原油先物市場では、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物が81.50ドル、ブレント原油先物が87.50ドルをそれぞれ下回り、やや弱含みの展開となっている。金スポット価格は本稿執筆時点で、1,930ドル近辺で取引されている。
きょう注目すべき経済指標は、米民間経済研究所のコンファレンスボードが発表する米景気先行指数である。
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米ドル指数のテクニカル分析
米ドル指数は、2022年4月の安値99.42を控える中、サポートとなり得る2022年5月の安値101.30付近でのもみ合いが続いている。
21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの下限バンドを下回ったが、その後はバンド内側に戻り、横ばいの動きが続いている。
このこう着状態は、もし指数がブレイクポイントである103.42を上抜けして反発すれば、反転を示唆する可能性がある。21日SMAがこの水準付近にあり、レジスタンスとなるかもしれない。
さらなる上昇局面では、105.63、105.82、107.20、108.00に位置する過去の高値がレジスタンスとなる可能性がある。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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