ドル円の最新ニュース
円、ドル/円、日銀 - マーケットフォーカス
- 日銀の政策据え置きで円は大幅下落
- 大規模緩和政策のさらなる修正観測が高まっていたが、期待外れとなった
- ドル/円は昨年10月を始点とする重要な下降トレンドラインに沿って下落している
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日銀が17-18日に開いた金融政策決定会合で大規模な緩和政策の据え置きを決めたことを受け、18日の東京外国為替市場で円相場は対ドルで2%超安まで値を下げている。このまま円安が続けば、ドル/円の1日の上昇率は2020年3月以降、最大となりそうだ。日銀の政策発表を受け、市場で何が起こったのかを詳しく見ていきたい。
結論から言うと、まったく代わり映えしない内容だった。日銀はすべての金融政策を据え置いた。短期金利にマイナス0.1%を適用し、長期金利(10年債金利)はゼロ%程度を誘導目標水準とする方針などを維持した。政策担当者はまた、ある程度の柔軟性を持って国債購入を継続することに言及した。これは、日銀がイールドカーブ・コントロール政策を予定通り、継続する意思を強調する発言である。
ここでなぜ円安が急速に進んだのかを理解するには、昨年12月に起きたことを振り返る必要がある。日銀は先月、イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)政策を調整して長期金利の上限を0.5%に引き上げ、市場に衝撃を与えた。これまでYCC政策の10年債金利の目標レンジはゼロ%からプラスマイナス0.25%程度だった。日銀はまた、毎月の長期国債購入額を従来の7兆3,000億円から9兆円へと増やした。
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市場はこの政策修正を、日銀が金融政策の正常化に向けて一歩踏み出したと見なした。先週には、日銀がさらなる引き締めに踏み込む可能性があると読売新聞が報じ、政策修正観測が広がった。そのため市場では、日銀がきょう、何らかの追加修正を発表すると期待する声が多かった。しかし、それは実現しなかったため、政策修正を見込んだポジションを手仕舞う動きが加速した。
では、ドル/円の今後の方向性は? 市場は過去数週間、米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派的姿勢を緩めるとの観測を高めてきたが、その見方は後退し続ける可能性が高いため、目先のドル/円相場は脆弱な局面に立たされるように見える。現状では、日銀は他の主要国と比べると、非常にハト派的だと言える。そのため、ドル/円相場における今後の焦点は外部要因に移るだろう。
日本時間の今夜(午後10時半)には、米国の12月小売売上高、生産者物価指数(PPI)、鉱工業生産が発表予定で、米国経済の健全性に関するさらなる手がかりが得られるかもしれない。これらの経済指標が軟化すれば、市場はFRBが政策を修正するかどうかに引き続き注目することになる。そうなれば、ドル/円はやや下落する可能性がある。
日銀の政策発表に対する市場の反応
資料:TradingView
円相場のテクニカル分析
日銀の政策発表後に円売りが加速し、ドル/円はフィボナッチ・エクステンション100%の水準127.98付近で値を切り上げた。これは、RSI(相対力指数)でこのところ見られている強気のダイバージェンスにも沿った動きである。強気のダイバージェンスは価格下落の勢いが弱まっていることを示している。価格は現在、かつてのサポートゾーンである130.39-131.73に直面している。このゾーンは新たなレジスタンスとして維持される可能性がある。昨年10月を始点とする下降トレンドラインもレジスタンスとして機能しており、下降バイアスが維持される可能性があるため、注視する必要がある。一方、上昇局面では、50日単純移動平均線(SMA)を突破できるかが焦点となる。
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ドル/円 日足チャート
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資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。