金、金/ドル、ドル、米雇用、FRB、原油 - トーキングポイント
- 金相場は、5日に下落し、きょう6日はいくつかのサポートが確認できる
- 堅調な米雇用統計を受け、ドルは昨日5日から反発している
- 市場がFRBを正しく理解すれば、金/ドルを動かすことになるか?
5日のニューヨーク金先物相場は下落した。労働市場のひっ迫を示す米雇用統計を受け、ドルは上昇した。
金相場は4日に7カ月ぶりの高値となる1,865ドルを付けたが、翌5日には1,825ドルの安値まで引き戻された。きょうこれまでのところ、1,840ドル付近で推移している。
今週はドルの動きが多くの市場の取引を支配しており、多くの通貨で乱高下が見られた。
米企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)が5日発表した全米雇用報告によると、12月の民間部門雇用者数は23万5,000人増加し、市場予想の15 万人増を大きく上回った。市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)の金利政策の方向性に対し市場がどのように受け止めるかが引き続き、焦点となっている。
この堅調な雇用統計は、物価安定に関し、FRBがまだやるべきことがあると示唆しているのかもしれない。きょう6日(日本時間午後10時半)発表の非農業部門雇用者数は、ボラティリティをさらに高める要因になる可能性がある。
FRB高官のエスター・ジョージ氏とラファエル・ボスティック氏はタカ派的姿勢を維持したが、ジェームズ・ブラード氏はこれまでの超タカ派的な表現を和らげた。
5日の米国株式市場では、金融引き締め政策が従来、考えられていたよりも長期化するとの見方から現物株は下落して取引を終了した。一方、先物は翌日の堅調な取引開始を示唆している。
6日のAPAC(アジア太平洋地域)市場では主要株価指数が小幅に上昇し、ほとんどの通貨はドルに対して小幅高となった。ドル/円は例外で、わずかに上昇している。
原油先物市場では、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物が74.50ドル付近、ブレント原油先物が79.50ドルを少し上回る水準で推移している。
目先では、米雇用統計の非農業部門雇用者数のほか、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)、カナダの雇用統計の発表も予定されている。
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金相場のテクニカル分析
4日に1,865の高値を付けた後、金相場は昨日5日、ブレイクポイント水準でもあった1,825まで下げた。
この水準は引き続き、サポートとなる可能性があり、その後は過去の安値1,797、1,785が控えている。
また、ここ数日の取引で、21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの上限バンドを上抜ける場面もあった。
現在はバンドの内側に戻っており、これは強気の勢いが一服している、あるいは反転する可能性を示しているのかもしれない。
上昇局面では、以前の高値1,865と1,880がレジスタンスとなる可能性がある。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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