金先物 - トーキングポイント
金先物相場は、RSI(相対力指数)が30%を超え、典型的な買いシグナルが出ている中、年初来安値(1,615ドル)から切り返し、上げ幅を拡大している。しかし、下降している50日単純移動平均線(SMA、1,726ドル)に追随しているようにも見え、7月安値(1,681ドル)を中心としたかつてのサポートゾーンがレジスタンスとして機能するかもしれない。
金は反発、かつてのサポートゾーンをレジスタンスとして意識
金先物相場は、このところ米国債利回りが低下している中で、2020年4月の安値(1,568ドル)に届く前に反転したように見え、RSIが売られ過ぎの領域から後退する動きに伴い、月間高値(1,735ドル)からの下落分を取り戻す展開が続く可能性がある。
金先物相場は弱気の勢いが後退する中、移動平均線を再び試す展開となるかもしれないが、最新の米個人消費支出(PCE)が相場の足を引っ張る可能性がある。米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として重視する8月のコアPCEは前年同月比4.7%上昇と、前月(同4.6%)から上昇すると予想されている。
FRBが金融引き締めを継続する中、インフレ率の高止まりが確認されれば、米連邦準備制度理事会(FOMC)はインフレ抑制策を持続せざるを得ない。FOMC参加者の経済・金利見通し(SEP)では、米政策金利は今後さらに上昇するとの見方が出ており、11月2日の次回FOMC会合で、ジェローム・パウエル議長らが75ベーシスポイントの追加利上げを実施するかどうかが注目される。
それまでは、FOMCがタカ派的なフォワードガイダンスを維持しているため、米国発の動きが金先物相場を左右する可能性がある。FRBは2023年まで利上げサイクルを継続すると見られ、先進国全体で金利が上昇している環境下では、引き続き金の魅力が損なわれそうだ。
とはいえ、RSI(相対力指数)が30%を超えたことで、売られ過ぎの領域から脱し、金先物相場が大きく反発する可能性は高まっている。しかし、相場は右肩下がりの50日SMA(1,726ドル)に追随しているようにも見え、7月安値(1,681ドル)近辺のかつてのサポートゾーンがレジスタンスとして機能し、上値を抑える展開も考え得る。
金先物 日足チャート
資料:Trading View
- 金先物相場は、フィボナッチが重なっている1,601ドル(エクスパンション38.2%)から1,618ドル(リトレースメント50%)付近のエリアを割り込まず、年初来安値(1,615ドル)付近で上昇に転じた。1,670ドル(エクスパンション50%)のエリアを上抜ければ、1,690ドル(リトレースメント61.8%)から1,695ドル(エクスパンション61.8%)近辺が再び視野に入ってくる
- 次の注目エリアは、50日SMA(1,726ドル)と重なる1,726ドル(リトレースメント38.2%)付近だが、かつてのサポートゾーンである7月安値(1,681ドル)付近がレジスタンスとして機能すれば、移動平均線のマイナス傾斜に追随する形で下降を続ける可能性がある
- 1,648ドル(エクスパンション50%)付近を上回る水準を維持できなかった場合は、1,601ドル(エクスパンション38.2%)から1,618ドル(リトレースメント50%)付近に向けて下落し、1,584ドル(リトレースメント78.6%)のエリアを終値でブレイクした場合は、2020年4月の安値(1,568ドル)が視野に入ってくるだろう
トレード戦略とリスク管理
より良いトレーダーになる
推薦者: David Song
--- DailyFX.com 為替ストラテジスト デイビッド・ソン著
ソン氏に連絡するには、Twitter で@DavidJSongまでお願いいたします。