※2023年6月6日11時58分更新
カナダドル、米ドル/カナダドル、OPECの減産?、テクニカル分析 - APAC市場まとめ



カナダドル、OPECプラス会合に反応薄
5日のニューヨーク外国為替市場で、カナダドルは米ドルに対して弱含みで推移した。原油関連のニュースには反応薄だった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスは4日、減産合意を2024年に延長することで合意した。サウジアラビアは自主的に、日量約100万バレルを7月から追加で削減すると表明した。異例だった今回の会合では、原油価格を回復させるために減産が必要との見解はあったものの、幅広い合意には至らなかった。
この報道を受け、週明け5日のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は4%超上昇する場面があったが、勢いは続かず、結局、前週末の終値とほぼ変わらない水準で取引を終えた。ファンダメンタルズ分析の観点からは、原油先物相場は依然として前途多難である。世界的な金融引き締めは、経済成長にブレーキをかけている。世界的な景気減速の傾向は、最近発表された中国の製造業に関する経済指標が期待外れだった点からもうかがえる。
サウジアラビアが自主減産したとしても、OPECプラス加盟国間で包括的な合意に至らなければ、原油相場を支えるのは難しいかもしれない。カナダにとって石油は重要な輸出品であるため、このトピックはカナダおよび米ドル/カナダドルに関連深い。原油価格が大きく逸脱すれば、経済、インフレ、カナダ中央銀行に重要な影響を与える可能性がある。
カナダドル市場では、世界の経済成長の行方が引き続き、焦点になるかもしれない。きょう6日の経済イベントは、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の政策金利決定以外は目立ったものがない。しかし、米ドル/カナダドル市場では引き続き、市場心理が相場を動かすかもしれない。5日の米国株安を受け、6日の米ドル/カナダドルは軟調に推移する可能性がある。
カナダドルのテクニカル分析
米ドル/カナダドルの日足チャートでは、1.3412の変曲点付近がサポートになっているように見える。この水準から上昇に転じた場合は、3月から続く下降トレンドラインに焦点が当てられるだろう。このラインは、レジスタンスとして機能する可能性がある。一方、変曲点を割り込んだ場合は、昨年11月を始点とする上昇トレンドラインが意識され、これがサポートとして機能し、同ラインは維持されるかもしれない。カナダドルは、しっかりしたブレイクアウトが達成されるまで、レンジ相場となる可能性が高そうだ。



米ドル/カナダドル 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。