※2023年5月31日15時26分更新
豪ドル、中国PMI、豪ドル/米ドル、豪民間信用、豪CPI、豪中銀 - トーキングポイント
- 中国PMIが予想に届かず、豪ドルは安値を模索する展開
- 豪民間信用は若干拡大し、豪CPIは再びわずかに上昇
- 豪中銀は、きょう発表のインフレ指標を気に留めないかもしれない。 豪ドル/米ドルは地合い維持となるか?



5月の中国購買担当者指数(PMI)が予想を下回ったことを受け、オーストラリアドルは65セントを割り込む6カ月ぶりの低水準に沈んだ。この結果は、世界第2位の経済大国である中国は、パンデミックによる規制は終了したものの、経済をなかなか成長軌道に戻せずにいるという認識をさらに深めることになったようだ。
5月の中国製造業PMIは48.8と、予想(49.5)を下回り、非製造業PMIも54.5と、予想(55.2)に届かなかった。この結果、総合PMIは52.9となり、前月(54.4)を下回った。
中国のPMI指数は、大企業を中心とした中国全土の製造業者3,000社を対象に調査される。PMIは業況判断指数であり、50を超えると、中 国経済は明るい見通しとみなされている。
中国PMIと同時に発表された4月の豪民間部門信用は、前月比0.6%の伸びとなり、予想(0.3%増)を上回った。この結果、前年同月比は6.6%増となった。前月は同6.8%増だった。
オーストラリア統計局が発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6.8%上昇し、予想(同6.4%上昇)と前月(同6.3%上昇)をともに上回った。
一方、昨日30日に発表されたオーストラリアの4月の建築許可件数は前月比8.1%減と、予想(同2%上昇)を大きく下回った。
また、オーストリア準備銀行(RBA、中央銀行)のフィリップ・ロウ総裁は30日、上院経済規制委員会に出席し、インフレ対策への決意を改めて表明した。
ロウ総裁は、賃金価格上昇問題や、賃金価格指数が3.7%に達しているときにCPIを2-3%の目標範囲に戻すことの難しさに言及した。また、9月にはかなりの固定金利住宅ローンが、超低金利から現在のはるかに高い金利に変更されると指摘した。
金利先物市場は、来週火曜に開催されるRBAの理事会で政策金利は据え置かれると予想している。
豪ドルにとって、中国景気の鈍化と世界の多くの地域とのマイナス金利差は引き続き、悪材料視される可能性がある。
豪ドル/米ドルの反応 - 1分足チャート
資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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