※2023年4月26日11時26分更新。
金、銀、Gold、Silver、金銀比―トーキングポイント



金価格(XAU/USD)
金先物の投機筋(ヘッジファンド等)のロングポジションは平均程度であり、ロングポジション解消に伴う金価格の低下圧力は限定的である。コロナショック以降では低い水準である。極端にロング(ショート)ポジションが蓄積している場合、ポジション解消に伴い価格は下落(上昇)する傾向がある。また、ロング(ショート)ポジションが少ない場合、ロング(ショート)ポジションの積み増しに伴い、金価格は上昇(下落)する傾向があるが、平均程度のポジションであることから、一段のポジション積み増しに伴う価格上昇(下落)圧力も限定的であり、金先物のポジション状況は金価格にとって中立である。

資料:BloombergよりCFTCのデータを用いてDailyFX.comが作成
週足チャートを確認すると、9、20、50、200期間移動平均線が上向きかつ、上から順に並ぶ強気の「パーフェクトオーダー」が成立している。一方、MACD(移動平均収束拡散手法)やRSIでは上昇の勢いが衰えていることを示唆している「弱気のダイバージェンス」が示現している。
金価格(XAU/USD)週足チャート

資料:Trading View
一方、日足チャートのRSI(相対力指数)やMACD(移動平均収束拡散手法)も同様に上昇の勢いが衰えていることを示唆している「弱気のダイバージェンス」が示現している。
金価格(XAU/USD)日足チャート

資料:Trading View
一方、4時間足チャートでは、9、20期間指数移動平均線は上向き転じており、下落圧力が弱まりつつあることを示唆している。MACD(移動平均収束拡散手法)も上向きかつ、シグナルラインを上回っており、上昇トレンドに転じつつあることを示唆している。RSI(相対力指数)も50超えに転換し、下落圧力が弱まっていることを示唆しているものの、週足・日足チャートで弱気のダイバージェンスが示現していること、5月FOMCに向けて金価格にとって下落圧力となる米金利上昇の可能性があることから、金価格に中立の見通しとする。
金価格(XAU/USD)4時間足チャート

資料:Trading Viewより作成
銀 VS 金:銀の割安感継続
銀と金の相対間を示す金銀比率(金価格/銀価格、高い(低い)ほど金が相対的に割高(割安))は、金の相対的な割高感が一時に比べ和らいだものの、依然として金が相対的に割高な状態が継続している。
金・銀比率

資料:Trading View
銀は強固な水平レジスタンスであった24.3を突破し、逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)が推測される上値目標である24.85を上抜けた。現在は上昇パターンの継続を示唆する上昇レクタングルパターン内で推移している。上昇パターンの継続、金に対して相対的に上昇する可能性があるものの、当面はパターン内で推移することが予想され、5月FOMCに向けて米金利が上昇し、金同様銀価格にとって下落圧力となる可能性があることから、中立の見通しとする。上昇レクタングルパターンのレジスタンスを上抜けた場合、強気に見通しを転換する可能性が高まる。
銀(XAG/USD)日足チャート

資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著