※2023年4月25日11時30分更新
金、銀、個人トレーダーのポジション、テクニカル分析 – IGCSによるコモディティ市場アップデート
- 金・銀価格はここ数日、値固めの動きが続いている
- 個人トレーダーのショートが増加、強気のサインか？
- 主要なサポート水準は維持されており、テクニカル面で支えられている
ここ数週間、金と銀の価格は、昨年底を打ってから続いた広範な上昇軌道を再開するための勢いがなかなか醸成されずにいる。しかし、ポジションの観点からは恐らく、上値追いの展開となるよう引き続き、サポートされているようだ。テクニカルな観点からは、いくつかの弱気シグナルが現れているものの、より幅広い方向性としては上向きであることに変わりはない。
個人トレーダーのポジションについては、IGクライアントセンチメント（IGCS）を見ると分かる。この指標は、特にトレンド相場では逆張り指標となる傾向がある。ここ数日、個人トレーダーは金と銀の売り持ちを増やしている。これは、相場がさらに上昇する兆しなのだろうか？
金相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、金を取引する個人トレーダーの約58％がネットロング（金を買い持ち）にしている。半数以上が買い持ちであるため、価格はこの先、下落する可能性がある。しかし、ネットショートのポジションは、昨日、先週に比べ、それぞれ11.66%、10.04%増加した。このように、最近のポジションの変動は、価格がすぐに反発する可能性を示唆している。
金/ドル 日足チャート
日足チャートを見ると、金先物相場は20日単純移動平均線（SMA）を下方ブレイクした。これは、弱気のチャートパターンである陰の包み足（抱き線）が示現した後に起こり、下げ幅を拡大する可能性を高めている。しかし、フィボナッチ・エクステンションの中間点である1,977は維持されており、20日SMAのブレイクアウトの確認には至っていない。このため、短期的には上向きの見通しが維持されている。一方、下げ幅を拡大すると、100日SMAが意識される。
資料：Trading View
銀相場のセンチメント見通し - 強気
IGCSによると、銀を取引する個人トレーダーの51％がネットロング（銀を買い持ち）にしている。ネットロングの方が多いため、価格は下がり続けるかもしれない。しかし、ネットショートのポジションは、昨日、先週を比べると、それぞれ7.87%、171.66%増加している。このように、最近のポジションの変動は、現在の価格がすぐに反発する可能性を示唆している。
銀/ドル 日足チャート
銀先物相場も、陰の包み足（抱き線）のローソク足パターンが示現しており、下降リスクにさらされている。しかし、金相場とは異なり、銀/ドルは20日SMAを下方ブレイクせず、金/ドルよりもテクニカル分析上、有利な状態にあることが分かる。上昇に転じた場合、2022年4月の高値圏（25.85－26.21）を上回れるかどうかが焦点となる。一方、20日SMAを下回ると、50日SMAが重要なサポートとして意識されるだろう。
資料：Trading View
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。
