インフレ、GBP、GBP/JPY、GBP/USD、IGCS-トーキングポイント
英中銀の金融政策への影響
英国でインフレ率が公表予定である。ヘッドラインインフレ率は大幅な鈍化が見込まれている。インフレ鈍化が緩慢なものに留まったり、コアインフレの加速が示された場合、英中銀の金融引き締め継続との思惑から英ポンド高が進展する可能性があるが、英ポンドのテクニカル面での動きは?詳しく見てみたい。
資料:Trading Economics
英ポンド/日本円のセンチメント:英ポンド高を示唆
IGグループのプラットフォーム上で実際に行われた取引データに基づいたセンチメント指標であるIG顧客センチメント(IGCS)によると、英ポンド/日本円を取引する個人トレーダーのネットショート(英ポンドショート・日本円ロング)の割合が過去と比べて高い。英ポンドに対して弱気な個人トレーダーが多いことを示唆している。IGCSは逆張りの指標として機能する傾向がある。逆張り指標の観点では、ネットショートの個人トレーダーが多い間は、英ポンド高円安が一段と進展する可能性を示唆している。
IG顧客センチメント:GBP/JPY
資料:IG顧客センチメント
英ポンド/日本円のテクニカル分析:175円に向け上昇?
日足チャートを確認すると、9、20、50、200日指数移動平均線が上向き、かつ上から並ぶ強気の「パーフェクトオーダー」(英ポンド高円安を示唆)が成立している。また、アセンディングトライアングルパターンの上限172.328円上抜けをトライしており、明確に上抜けた場合、英ポンド高円安トレンドが一段と鮮明になる。インフレ鈍化が緩慢なものであったり、コアインフレの加速が確認できた場合、英中銀の利上げ継続との思惑から心理的節目である175円が視野に入る。一方、リスクとしてインフレが大幅に鈍化し、英中銀が近い将来の利上げ停止観測が高まった場合、水平レジスタンスである170.837円まで下落する可能性がある。
英ポンド/日本円の日足チャート
資料:Trading View
英ポンド/米ドルのセンチメント:英ポンド安米ドル高
IGCSによると、英ポンド/米ドルを取引する個人トレーダーの約52%がネットロング(英ポンドロング・米ドルショート)である。英ポンド高米ドル安を見込む個人トレーダーがやや多いことを示唆している。IGCSは逆張りの指標として機能する傾向があるため、ネットロングの割合が高いことは、英ポンド安米ドル高が進展する可能性を示唆している。また、先週から英ポンド高米ドル安を見込むネットロングのトレーダー数は、6.83%上昇している。このことも、英ポンド安米ドル高が進展する可能性を示唆している。
IG顧客センチメント:GBP/USD
資料:IG顧客センチメント
英ポンド/米ドルのテクニカル分析:英ポンド安米ドル高
日足チャートで、RSIは50割れに転換、英ポンド安米ドル高トレンドへの転換を示唆している。また、9日指数移動平均線が20日指数移動平均線を下抜ける弱気の「デッドクロス」が成立しており、英ポンド安米ドル高トレンドを示している。水平レジスタンスである1.23443ドルへの下落を見込む。
英ポンド/米ドル(GBP/USD)日足チャート
資料:Trading Viewより作成
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著