※2023年5月10日13時00分更新。
東証株価指数(TOPIX)、日経平均株価、日本株、33年ぶり、賃金上昇―トーキングポイント
- 日本株独自のプラス材料がサポート要因
- TOPIXは欧米株や日経平均株価と比べ出遅れ
- TOPIXは33年ぶりの株価(2120.28)が視野



33年ぶりの株価が迫る
日本株が堅調に推移している。東証株価指数(TOPIX)は33年ぶりの高値(2,120.28)を伺う展開である。
東証株価指数3カ月足チャート

資料:Trading View
米国地方銀行を中心に金融不安が再度高まっている。また、米国の債務上限問題も解決の兆しが見えず、注視が必要である。一方、海外株式の上昇に加え、日本株独自のプラス材料が上昇をサポートしている。
- 日本銀行による当面の金融緩和環境維持が見込まれること
- 東証証券取引所(東証)によるPBR1倍割れ企業への改善要請
- インバウンド需要への期待
- 賃金上昇の兆し
また、3月の金融不安が顕在化して以降、日本の金融機関に対する影響は限定的であるにも関わらず、日本株は欧米株に劣後しており、日本株が割安であることを示唆している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。2023年3月9日を100として指数化
日本株の中でも、TOPIXは日経平均と比べて出遅れている。日経平均株価とTOPIXの比率(NT倍率)を確認すると、14倍程度と日経平均と比べてTOPIXが割安であることを示唆している(値が大きいほどTOPIXが割安)。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
TOPIXの週足チャートは、9、20、50、200期間指数移動平均線が上向きかつ、上から順に並ぶ強気の「パーフェクトオーダー」が成立している。また、RSIも買われ過ぎを示唆する70を下回っている。
東証株価指数(TOPIX) 週足チャート

資料:Trading View
TOPIXの日足チャートを確認すると、上昇パターンを示唆するアセンディングトライアングルパターンの上限レジスタンス(2,054.13)を上抜け、一段の日本株の上昇を示唆している。今後は2,054.13がサポートラインとして機能することが期待される。また、週足チャート同様9、20、50、200日指数移動平均線が上向きかつ、上から順に並ぶ強気の「パーフェクトオーダー」が成立しており、33年ぶりの高値2,120.28更新が視野に入る。一方、米国債務上限問題や金融不安に対する懸念が高まった際はサポートライン2,054.13へ下落する可能性がある。
東証株価指数(TOPIX)日足チャート

資料:Trading View



-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著