※2023年5月16日9時20分更新。
WTI原油、IG顧客センチメント、先物ポジション、テクニカル分析、戦略的石油備蓄、米国―トーキングポイント



WTI原油価格は一時70ドル割れと低迷する中、米国政府は8月に300万バレルの原油購入を計画していることが明らかになった。昨年、エネルギー価格高騰を抑えるために戦略的石油備蓄(SPR)から2億バレル以上を市中に売却していた。米国政府は、原油価格が1バレル=67-72ドル近辺まで低下した際にSPR向けに石油を買い戻す方針を示していた。
原油価格が割安と判断した個人トレーダーは買い持ちを増やしている。これは、IGプラットフォーム上での取引に基づいた個人トレーダーのセンチメントを表すIG顧客センチメント(IGCS)を見れば分かる。IGCSは時に逆張り指標として機能することがある。IGCSからは、原油価格に対して強気のシグナルが示されている。詳しく見てみたい。
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原油のセンチメント見通し:強気
IGCSによると、原油を取引する個人トレーダーの約78%がネットロング(原油を買い持ち)にしているため、逆張り指標の観点では価格は低下する可能性を示唆している。しかしながら、ネットロングのトレーダーは昨日から3.3%低下している。また、ネットロングのトレーダーの割合は高水準であり、今後ネットロングのトレーダーの割合が低下していく可能性がある。このことを考えると、原油価格は上昇する可能性がある。
IG顧客センチメント:原油




資料:IG顧客センチメントより抜粋
原油先物市場のポジション:強気
IGCSに加え、原油先物市場における投機筋(ヘッジファンド等)のポジションも原油価格の上昇を示唆している。原油先物市場の投機筋によるネットロングのポジションは2016年来の低い水準であり、投機筋がロングポジションを積み増す余地がある。ロングポジションが低い水準であることは、ヘッジファンド等は原油価格に対して過去と比べて弱気であることを示唆している。ロングポジションの積み増しにより、原油価格が上昇する可能性がある。
原油先物ポジション

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
原油価格のテクニカル分析:弱気トレンド継続
RSIは価格の下落圧力が弱まりつつあることを示唆している。一時売られ過ぎを示唆する30近辺まで低下後、反発している。しかしながら、9、20、50、200日指数移動平均線が下向き、かつ下から順に並ぶ弱気の「逆パーフェクトオーダー」が成立しており、下落トレンドが続いている。しかしながら、下値の目途も限定的と見込む。当面の下値の目途は、米国政府のSPR補充のための購入の可能性が高まり、3月安値近辺である67ドルである。一方、最近のレジスタンスとなっている9日指数移動平均線を上抜けた場合、上昇トレンドに転換する可能性が高まる。上昇トレンドに転換した際の上値の目処は昨年12月以降のレジスタンスであり心理的節目である80ドルである。
原油価格日足チャート

資料:Trading View



-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著