※2023年4月14日13時30分更新。
日本株、出遅れ、ドル円、年初来高値―トーキングポイント



依然として割安。ドル円もサポート材料?
日経平均株価先物は強固な水平レジスタンスである28,300円をついに突破した。金融不安の日本の金融機関に対する影響は限定的でありながら、依然として日本株はS&P500、NYダウ、ナスダックといった米国株と比べて回復が出遅れており、一段の上昇余地が伺える。先日米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本株の買い増しが明らかになったが、日本株の出遅れ・割安感に注目した海外投資家による一段の資金流入の可能性がある。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
今月末に植田日銀新総裁体制での初めての金融政策決定会合が開催される。日本銀行総裁・副総裁の就任会見では当面の金融緩和継続が示唆された結果、早期の金融政策修正観測が後退している。結果、ドル円のオプション市場から算出されるリスクリバーサルのマイナス幅が縮小している。マイナス幅縮小は投資家の円高警戒感が和らいでいることを示唆している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。年初来。
同様にドル円の通貨オプションから算出されるインプライドボラティリティは低下している。インプライドボラティリティの低下はドル円が急変動することへの警戒感が後退していることを示唆しており、投資家の日本銀行による早期の金融政策修正期待を後退させ、ドル円の安定推移を見込んでいることを示唆している。イールドカーブコントロール(YCC)政策等の副作用を背景に日銀が将来的に金融政策を修正している可能性は依然として残っていると予想するが、ドル円が当面安定的に推移した場合、日本株にとってプラス材料であろう(少なくともマイナス材料ではない)。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。年初来。
日経平均株価先物:年初来高値更新へ
日経平均株価先物の週足チャートを確認すると、強気のシグナルである三役好転が成立している。また、中立パターンであるシンメトリカルトライアングル(対称三角形)のレジスタンスを上方ブレイクしており、一段の上昇トレンドの開始を示唆している。
日経平均株価先物週足チャート

資料:Trading View
4時間足チャートは上昇トレンドが維持されていることを示しており、5,20,50,200期間移動平均線は上向き、かつ上から順に並ぶ強気の「パーフェクトオーダー」が成立している。MACD(移動平均収束拡散手法)やRSIでは弱気の乖離(ダイバージェンス)が発生しておらず、一段の日本株の上昇を見込む。日経平均株価先物は年初来高値の28,730円更新が視野に入る。
日経平均株価先物4時間足チャート

資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著