金価格の推移
金相場、金/ドル、ドル、FOMC、米ドル指数、欧州中銀、英中銀、原油 - トーキングポイント
- 市場は中央銀行の動き待ちで、きょう1日の金価格は安定している
- ドルは上値を追ったものの、先行き不透明感を背景にレンジ内に引き戻された
- 市場は本日開催されるFOMC会合に注目している。金/ドルに与える影響とは?



31日のニューヨーク金先物相場は1,900ドルまで下げたものの、すぐに1,925ドルを超える水準まで切り返した。同時に、主要通貨に対する米ドルの強さを示す米ドル指数も高値圏で推移したが、ニューヨーク市場の取引時間終了間際に下落に転じた。
同日の米国株式相場は、きょう開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長がタカ派的な姿勢を軟化させるとの期待から、堅調な展開となった。
FOMCメンバーが金融政策について発言できなくなるブラックアウト期間に入る前、複数のFOMCメンバーは「利上げ幅は25ベーシスポイント(bp)が適切と思われる」「政策金利は『長期間』、高水準を維持する必要がある」などと発言していた。
金利市場は25bpの利上げを織り込んでいる。金相場の動きを誘発する可能性があるのは、会合後の記者会見での議長発言だろう。
また、2日には欧州中央銀行(ECB)とイングランド銀行(BOE、中央銀行)が金融政策決定会合を開く。市場では両行とも50 bpの引き締めに動くと予想されている。
31日の米国市場で米国債利回りは数bp低下したが、きょうのアジア市場ではほとんど動いていない。
ナスダック総合株価指数は31日、現物取引で1.67%上昇したが、先物の動きは翌1日の現物株取引が軟調な滑り出しとなることを示している。
きょうのAPAC(アジア太平洋地域)の株式は、ほとんどの株価指数がわずかにプラス圏を維持しているが、小動きにとどまっている。31日に大幅上昇したスイスフランは例外として、為替市場も同様に、会合後の記者会見での内容を見極めたいとして様子見を決め込んでいる。
原油価格は、31日に下値を試した後、回復基調を取り戻している。本稿執筆時点でウエスト・テキサス・マーカンタイル(WTI)原油先物は79ドルを上回る水準で取引されており、ブレント原油先物は85.80ドル近辺で推移している。
きょう1日は、欧州の消費者物価指数(CPI)、続いて米国の住宅ローン申請件数、全米雇用報告、ISM製造業景気指数が発表される。FRBの声明発表や議長会見は今夜(米国時間)予定されている。
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金相場のテクニカル分析
金相場は10日単純移動平均線(SMA)を割り込んだが、その他の短期、中期、長期のSMAをすべて上回る水準を維持している。
10日SMAを下回ったことは、短期的に強気のモメンタムが一服していることを示唆しているかもしれないが、基盤となる中・長期的なモメンタムは今のところ、強気のまま維持されている。金価格は引き続き、上昇トレンドチャネル内で推移している。
レジスタンスは、直近の高値1,949、あるいは2022年4月の高値1,998になる可能性がある。
下降局面では、1,900と1,897の安値、または1,865と1,825のブレイクポイントがサポートとして機能しそうだ。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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