※2023年2月16日午後4時55分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、欧州中銀、FRB、豪ドル/米ドル、原油 - トーキングポイント
- 15日はドルが上昇したが、きょう16日のアジア市場でユーロはサポートで下値を維持した
- 堅調な米経済指標を受け米国債利回りが上昇し、FRBは難問を抱えている
- 欧州中銀は明確にタカ派的と言える。ユーロ/ドルは上昇トレンドを回復するか?



16日のアジア市場でユーロは底堅く推移した。15日はドルが他の通貨に対して上昇したため、ニューヨーク外国為替市場では下げていたが、きょうは持ち直した。英ポンドとオーストラリアドルは前日にドルに対する下げ率が最大となったが、きょうは小幅高となっている。
15日に発表された1月の米小売売上高は前月比3.0%増と、予想の2.0%増を大きく上回ったほか、前月も1.1%減から0.9%減に上方修正され、ドル高に弾みがついた。
好調な米経済指標を受け、米連邦準備制度理事会(FRB)はさらにタカ派的な姿勢を示す可能性が高い。きょう16日は、クリーブランド地区連銀のロレッタ・メスター総裁が講演を予定している。
欧州中央銀行(ECB)のクリスティーヌ・ラガルド総裁は昨日、次回の理事会で50ベーシスポイント(bp)の引き上げを実施すると明言した。ここ数カ月、インフレ率が減速しているにもかかわらず、である。問題は、直近の欧州の消費者物価指数(CPI)が8.5%上昇と、ECBが目標とする物価水準2%を大幅に上回っていることにある。
15日の米国株式相場は上昇して取引を終了し、きょうのAPAC(アジア太平洋地域)市場の株価は、2%超上昇している香港ハンセン指数(HSI)を筆頭に、堅調に推移している。株式先物は、16日の北米株式相場が上昇して始まることを示唆している。
きょうの米国債利回りはやや軟化しているが、週ベースで見ると今週は引き続き、高い水準で推移している。長期金利の指標となる10年物米国債利回りは3.80%付近で取引されている。
10年物日本国債は0.50%を試す展開が続いている。日銀は昨年12月に長期金利の許容上限を0.50%に引き上げた。
1月のオーストラリアの雇用者数は前月比1万1,500人減少し、予想の2万人増を大幅に下回ったうえ、失業率は3.7%と、予想および前月(3.5%)を上回った。労働参加率の低下が失業率の上昇に寄与した。豪ドル/米ドルは現在、0.6900を上回って取引されており、きょうは底堅く推移している。
原油価格も底堅く、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は79ドル付近、ブレント原油先物は86ドルを視野に強含みで推移している。金価格は1,840ドル付近で落ち着いているようだ。
きょうは複数のECB当局者が講演を行い、米国では生産者物価指数(PPI)、住宅着工件数、建設許可件数、失業保険申請件数など多くの経済指標が発表される。
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ユーロ/ドルのテクニカル分析
ユーロはここ2週間、1.0655-1.0805のレンジで推移しており、これらの水準がそれぞれサポートとレジスタンスとなる可能性がある。
21日単純移動平均線(SMA)は1.0805に位置しており、レジスタンスとしてさらに上値を抑える要因になるかもしれない。
下降局面では、1.0655-1.0670のゾーンが当面のサポートとなる可能性があり、その後は過去の安値1.0483と1.0443が控えている。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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