英ポンド、英ポンド/ドル、ドル、ドル/円、中国、原油、金 - トーキングポイント
17日のアジア市場で英ポンドは底堅く推移している。ドル安に加え、週末にジェレミー・ハント新財務相が減税計画のさらなる見直しを示唆する発言をしたことが支えとなっている。14日にはリズ・トラス英首相が、クワーテング財務相を解任すると同時に、法人税減税策を撤回すると表明している。
トラス英政権は首相辞任要求が強まるなど引き続き政治的圧力にさらされているうえ、イングランド銀行(中央銀行)による英国債の買い支えが終了したため、今週は英ポンドにとって不安定な一週間になりそうだ。
週明けのアジア取引時間帯に米国債利回りは、数ベーシスポイント低下している。その結果、ドルは全体的に軟調となり、これまでのところ0.6230を上回って取引されている豪ドルが、主にその恩恵を享受している。
円相場は、きょう17日に「ドル」に対して上昇しなかった唯一の通貨だ。政府高官による円安けん制発言が相次いでおり、市場は円買い介入の可能性について神経質になっている。ドル/円は現時点で、14日に付けた32年ぶりの高値148.86のすぐ下に位置している。
中国の習近平国家主席は16日から始まった共産党大会で、近代化、台湾、香港、共同繁栄、軍事、環境、技術、外交政策など、多くの話題に触れ、台湾統一には武力行使も辞さない姿勢を示すなど、挑戦的な演説を行った。
その中で目立ったのは、経済的に大きな打撃を与えているゼロコロナ政策について何も変更がない点である。香港ハンセンや中国CSI 200の株価指数は下がっているが、この動きはそのことよりも、14日の米国株安により影響を受けているのかもしれない。鉄鉱石は、ゼロコロナ政策が続くことを受け、下落している。
オーストラリアのASX 200株価指数と日経平均株価も下落している。一方、先物は、北米の現物株市場が堅調にスタートすることを示唆している。
原油と金の相場は、ドル安を受け、小幅な上昇を見せている。ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は86ドルを超え、ブレント原油先物は92ドルを上回っている。金スポットは1トロイオンス=1,650ドルに接近している。
英ポンド/ドル テクニカル分析
週末にレジスタンスの水準を上回った英ポンド/ドルは、17日アジア時間帯で堅調に推移した。1.1405と1.1414のブレイクポイントは、引き続きレジスタンスとなる可能性がある。
10日および21日単純移動平均線(SMA)が交差しており、これは方向性に対する目先の不透明感を示唆しているかもしれない。55日およびそれ以降のSMAはすべて価格を上回る水準で推移しており、長期的な弱気のモメンタムは損なわれていないことを示唆している可能性がある。
サポートは、前回の安値1.0924と1.0354かもしれない。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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