テクニカル分析による第2四半期のポンドドル相場予測
ポンドドルとユーロポンドは今後の動向が異なると予想する
英ポンドは今後数週間、比較的安定して、あるいはわずかに上昇して推移すると見られることから、テクニカル分析による見通しは中立である。そのため、対英ポンドで魅力的なエントリーをできる他の主要通貨が、あるかどうかを見極める必要がある。こうした視点から思い浮かぶのは、米ドルとユーロである。
FRBとイングランド銀行は、昨年いずれも利上げを実施し、2つの通貨は金利差がほとんどない状態に保たれている。しかし、FRBは一旦利上げを停止してから今年後半に利下げに踏み切る可能性がある一方で、BOEは更なる利上げを一回実施してから利上げ停止に移行する可能性があるため、2つの通貨を取り巻く状況は変化するだろう。とはいえ、2つの通貨の金利差が大幅に拡大することはないと思われるため、ポンドドルはセンチメントが下支えする形で推移するかもしれない。
ポンドドルの日足チャートを見ると、過去3ヶ月間はレンジ相場で推移しており、レートは現在1.2448に引かれたレジスタンスライン目前で推移している。移動平均線は上向きであるため、上昇するレートを下から支えるような形でこのまま推移することになるが、最近の一連の安値切り上げを見る限り、ポンドドルは堅調さを維持しているようだ。そして、ポンドドルが1.2448のレジスタンスラインを突破して上抜けた場合、以前の高値である1.2667が視野に入ってくる。そのため、ポンドドルの第2四半期の見通しについては、若干の上方バイアスが働きつつも、レンジ相場のまま推移する可能性がある。
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英ポンド/米ドル 日足チャート

ポンドは、対米ドルでは上昇する可能性がある一方で、対ユーロでは、金利差の予想が影響して苦戦するかもしれない。欧州中央銀行(ECB)は、インフレ抑制を念頭に今後数ヶ月間にわたる利上げ継続の必要性を強く訴えていることから、英ポンドとの金利差が拡大し、結果としてユーロ高に傾くことになる。
ユーロ/英ポンド(ユーロポンド、EUR/GBP)の日足チャートを見ると、0.8721 にサポートライン、0.8978にレジスタンスラインを引くことで、かなり典型的なレンジ相場の動きが見えてくる。この0.8721のサポートラインは、過去4ヶ月間に何度も下抜けそうになりながらも下抜けることなく維持されてきた水準のため、ECBが根本的に方針を転換する、あるいは、ユーロ圏で全く新しい銀行危機が発生するといったことがない限り、サポートラインは今後もこの水準を維持するだろう。サポートラインのすぐ下には200日移動平均線があり、これがさらなる下支えになりそうだ。また、直近に発生した0.8825から30付近のダブルトップを上抜けした場合、再び0.8978のレジスタンスラインを上抜ける可能性がある。その場合、テクニカル的な抵抗がほとんどないため、大きく上昇するかもしれない。
ユーロ/英ポンド 日足チャート
