


今年は、ボラティリティと強いトレンド相場に事欠くことなく、プライスアクションに関しては非常にエキサイティングな年であった。しかし、トレンド相場であっても、「2歩進んで1歩下がる」ようなリズムで、やや不安定に展開することがある。つまり、トレンド方向にトレードするチャンスがある一方で、トレンドの合間に、価格が戻るタイミングに注目するチャンスもあるのだ。
長期的なトレンドと反対の方向でトレードしたいと思うのは、むしろ直感に反しているように思えるかもしれない。しかしS&P500は、マーケットが異なる時間軸で、しかも長期間にわたってトレンドになり得ることを示している。長期的なトレンドの方向にのみトレードをおこなうようフィルターをかけると、値動きがますます反対方向に進むため、長期にわたって傍観することになる。
バイアスに忠実にしたがうのではなく、トレーダーは観察力と機転を利かせ、マーケットがいつ調整局面に入るか、あるいは値動きやモメンタムから平均回帰の特性を示すかを判断する必要がある。主要なリスクイベントやインフレ、中央銀行のトレンドなどの基本的な変化は、短期的なトレンドの動きを維持する能力を持つ材料のほんの一例に過ぎない。
すべてのトレンド相場がこのような双方向の値動きの機会を提供するわけではなく、トレンドの方向に沿ってトレードするという一般的な知恵は依然として有効である。しかし、S&P500のように、下降トレンド(上昇トレンド)の中で重要なサポートライン(レジスタンスライン)に接近し、トレンドと逆方向に深い動きを見せるマーケットは、特徴を分析する必要があるのだ。
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