豪ドル、豪ドル/米ドル、豪ドル/円、オーストラリア雇用統計レポート、IGクライアントセンチメント– 週間見通し
- 豪ドルは先週から引き続き、圧力がかかる
- オーストラリアの雇用統計は相場を押し上げる要因になり得るのか
- テクニカル分析とセンチメンタル分析では弱気



豪ドルは先週、米ドルに対して下落幅を拡大しました。今月初めに豪中銀がより金利政策に積極的な姿勢を見せたのにもかかわらず、金融マーケットではリスク回避の動きが広まっており、センチメントに関連した通貨に影響を与えています。今後1週間、トレーダーはオーストラリア雇用統計に注視しなければなりません。
水曜日に発表される4月の雇用統計では、失業率が4.0%から3.9%に低下し、3万人の雇用増が予測されています。4%を下回る場合は史上初です。この結果を受けると、豪中銀の積極的な金利政策に期待がかかり、豪ドルを押し上げる可能性があります。これらを考慮し、豪ドルのテクニカル分析はどのように判断できるか見ていきましょう。
豪ドル/米ドル(AUD /USD) – 弱気
豪ドルのテクニカル分析では、4月以降の弱含みと歩調を合わせて悪化しています。豪ドル/米ドルは先週、重要なサポートゾーンである0.6968 – 0.7000を下抜けしました。その結果、2020年6月の安値を含む0.6777 – 0.6832が見えてきました。0.6832を下抜けすると、2020年の安値に向かう可能性があります。
ただし、RSIに注目してください。ダイバージェンスを示しているように見え、下落の勢いが弱まっている可能性を示しています。これは上昇トレンドに転じる前兆とも捉えられます。したがって、豪ドル/米ドルは回復の余地があるといえるでしょう。トレンドの転換には、以下のチャートに示した3月からの下降トレンドラインを試す必要があります。
そのためには、新たなレジスタンスゾーンとなり得る0.6968 – 0.7000までレートを押し戻さなければならないでしょう。このゾーンを上抜けしても下降トレンドラインに跳ね返され、再び下降トレンドに入る可能性があります。損失が拡大した場合、0.6635(フィボナッチエクステンション100%)と0.6486(フィボナッチエクステンション123.6%)のラインが見えてきます。

豪ドル(AUD) クライアントセンチメント分析– 弱気



IGクライアントセンチメント(IGCS)を見ると、個人投資家の約76%が先週末に豪ドル/米ドルをネットロングしていたことがわかります。IGクライアントセンチメントは、逆張り指標として機能することがあります。このように投資家の大半は上昇を見込んでいるため、豪ドルにとって問題となる可能性があります。昨日と先週に比べ、上昇を見込んでいるリスク資産がそれぞれ7.34%、19.98%増加していることを意味するからです。そのため、これらのシグナルは豪ドル/米ドルに対して、売りでの逆張りのトレードバイアスをより強くしていることになります。

*クライアントセンチメントデータ 5月12日のレポートより
DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロフスキー著
ドゥブロフスキー氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitterで@ddubrovskyFXまでお願いいたします。